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かうげん
古い
名を
持つ
草津に
隱れて、
冬籠る
身にも、
遙々と
高原の
雪を
分けて、うらゝかな
日は
照つてゐる。
そんなその、
紅立羽だの、
小紫だの、
高原の
佳人、お
安くないのにはおよばない、
西洋化粧の
化紫、ござんなれ、
白粉の
花ありがたい……
早く
下界へ
遁げたいから、
真先に
自動車へ。
なし
在所より
遙々と
便り來りし弟十兵衞を芝札の辻に於て殺害し
年貢の
未進に血の
涙にて娘文を
苦界へ沈めし身の代金を
奪ひ取て其罪を浪人藤崎道十郎に
巧言を以て
負せ又妹お富を