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おぼこぎ
わざと
知らず
顏つくりながらも
潮す
紅の
我しらず
掩ふ
袖屏風にいとゞ
心のうちあらはれて
今更泣きたる
事もあり
人みぬひまの
手習に
松澤たかとかいて
見て
又塗隱すあどけなさ
利發に
見えても
未通女氣なり
同じ
心の
芳之助も
射る
矢の
如しと
口にはいへど
待つ
歳月はわが
爲に
弦たゆみしやうに
覺えて
明かし
暮らす
程のまどろかしさよ
嫌ふにあらねど未だ
未邊女氣のうら
羞しく
發揮と
問答を爲さざるなる可し就ては
氣永く
口説時は竟に意に從ふならんと思ふにも
似ず其娘は今度本町の小西屋へ
縁談究り箇樣々々と
糊賣お金が話したるを