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いつ/\
姉たちの
難義が
見ゆる
樣なれば、
今しばらく
止まりてと、
母君は
物やはらかに
曰ひたれど、お
許しの
出しに
甲斐なく、
夫々に
支度して
老實の
侍女を
撰らみ、
出立は
何日々々と
内々に
取きめけるを
燈火の
下に
書物を
開らき、
膝に
抱きて
畫を
見せ、これは
何時何時の
昔し
何處の
國に、
甚樣のやうな
剛き
人ありて、
其時代の
帝に
背きし
賊を
討ち、
大功をなして
此畫は
引上の
處