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質
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しつ
ふりがな文庫
“
質
(
しつ
)” の例文
因つて知る、武は猶
質
(
しつ
)
のごとく、文は則ち其の
毛彩
(
まうさい
)
にして、
虎豹
(
こへう
)
犬羊の分るゝ所以なるを。今の文士、其れ武事を忘る可けんや。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
斯
(
か
)
う云ふ時に代助は、
頭
(
あたま
)
の
内側
(
うちがは
)
と
外側
(
そとがは
)
が、
質
(
しつ
)
の
異
(
こと
)
なつた切り
組
(
く
)
み細工で
出来上
(
できあが
)
つてゐるとしか感じ得られない
癖
(
くせ
)
になつてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
見
(
み
)
よ!
見
(
み
)
よ!
巌
(
いは
)
の
面
(
めん
)
は
滑
(
なめら
)
かに、
質
(
しつ
)
の
青
(
あを
)
い
艶
(
つや
)
を
刻
(
きざ
)
んで、
花
(
はな
)
の
色
(
いろ
)
を
映
(
うつ
)
したれば、
恰
(
あたか
)
も
紫
(
むらさき
)
の
筋
(
すぢ
)
を
彫
(
ほ
)
つた、
自然
(
しぜん
)
に
奇代
(
きたい
)
の
双六磐
(
すごろくいは
)
。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それといふのも、
若葉
(
わかば
)
は
葉
(
は
)
の
外部
(
がいぶ
)
に
丈夫
(
じようぶ
)
な
皮
(
かは
)
もなく、
質
(
しつ
)
も
軟
(
やはらか
)
で
弱
(
よわ
)
いので、
強
(
つよ
)
い
日光
(
につこう
)
にあたるのをきらひます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
田忌
(
でんき
)
之
(
これ
)
を
信
(
しん
)
じて
然
(
しか
)
りとし、
王
(
わう
)
及
(
およ
)
び
諸公子
(
しよこうし
)
と
(二六)
千
金
(
きん
)
を
逐射
(
ちくせき
)
す。
(二七)
質
(
しつ
)
に
臨
(
のぞ
)
むに
及
(
およ
)
んで、
孫子
(
そんし
)
曰
(
いは
)
く
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
▼ もっと見る
とは、
真
(
しん
)
の男子の態度であろう。男もこの点まで
思慮
(
しりょ
)
が進むと、先きに述べたる宗教の
訓
(
おし
)
うる趣旨に
叶
(
かの
)
うてきて、
深沈
(
しんちん
)
重厚
(
じゅうこう
)
の
資
(
し
)
と
磊落
(
らいらく
)
雄豪
(
ゆうごう
)
の
質
(
しつ
)
との
撞着
(
どうちゃく
)
が消えてくる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
素燒
(
すや
)
きでありますけれども、
黒
(
くろ
)
ずんだ
茶色
(
ちやいろ
)
で
爐
(
ろ
)
に
燻
(
いぶ
)
されたのが
多
(
おほ
)
いのです。そしてその
土
(
つち
)
の
質
(
しつ
)
も
細
(
こま
)
かい
砂
(
すな
)
や、
時
(
とき
)
には
大粒
(
おほつぶ
)
の
砂
(
すな
)
がまじつてゐるために
平均
(
へいきん
)
してをりません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
さうして
深
(
ふか
)
い
海
(
うみ
)
の
底
(
そこ
)
はこの
質
(
しつ
)
の
層
(
そう
)
が
直接
(
ちよくせつ
)
其表面
(
そのひようめん
)
まで
達
(
たつ
)
してゐるか、
或
(
あるひ
)
は
表面近
(
ひようめんちか
)
く
進
(
すゝ
)
んで
來
(
き
)
てゐて、
其上
(
そのうへ
)
を
陸界
(
りくかい
)
の
性質
(
せいしつ
)
のもので
薄
(
うす
)
く
被
(
おほ
)
ふてゐるくらゐにすぎぬと、かう
考
(
かんが
)
へられてゐる。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
私徳を修めて身を
潔清
(
けっせい
)
の
位
(
くらい
)
に置くと、私権を張りて節を屈せざると、二者その趣を
殊
(
こと
)
にするが如くなれども、根本の元素は同一にして、私徳私権
相
(
あい
)
関
(
かん
)
し、徳は権の
質
(
しつ
)
なりというべし。
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
倹約な
巴里
(
パリイ
)
の女が外見は派手であり
乍
(
なが
)
ら粗末な
質
(
しつ
)
の物を
巧
(
たくみ
)
に仕立てるのと
異
(
ちが
)
つて、
倫敦
(
ロンドン
)
の女は表面
質素
(
じみ
)
な様で実は
金目
(
かなめ
)
の
掛
(
かゝ
)
つた物を身に着けて居る。
唯
(
た
)
だ惜しい事に趣味が意気でない。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
ユダヤ人はちょっとしたもうけにほくほくして、
質
(
しつ
)
のわるいグロッシェン
貨
(
か
)
でこの
金額
(
きんがく
)
をもってきました。グロッシェン貨なら、三
枚
(
まい
)
でも、質のいい
金
(
かね
)
の二枚ぶんの
値
(
ね
)
うちしかないのです。
うまい商売
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
白いふきんと
象牙
(
ぞうげ
)
のはしとをだいじに持っておって、それは人に手をつけさせない。この
象牙
(
ぞうげ
)
のはしにはだれもおどろいてる。ややたいらめな
質
(
しつ
)
のもっとも
優等
(
ゆうとう
)
な
象牙
(
ぞうげ
)
で、
金蒔絵
(
きんまきえ
)
がしてある。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
その單色にして
質
(
しつ
)
まづしい行く手の
彼
(
か
)
の世界を、夢ならぬ現實の世界を
展望
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
それは、一ばん上の段よりも、高くて
質
(
しつ
)
のいい木々が
生
(
は
)
えているところからも、すぐにわかります。そこには、カエデや、カシワや、ボダイジュや、シダレカバや、ハシバミなどが
生
(
は
)
えています。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
(第四)
質
(
しつ
)
の
粗
(
あら
)
き丸石にして
凹所
(
おうしよ
)
を有する者。(之を凹み石と呼ぶ)
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
みづからを
白金
(
プラチナ
)
の
質
(
しつ
)
と知りながら……
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
〔譯〕
性
(
せい
)
は同じうして而て
質
(
しつ
)
は
異
(
ことな
)
る。質異るは
教
(
をしへ
)
の由つて
設
(
まう
)
けらるゝ所なり。性同じきは教の由つて立つ所なり。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
きつね、たぬき、てん、のうさぎ、むさゝび、りす
等
(
など
)
山
(
やま
)
に
棲
(
す
)
むけものはどこにゐるのでも
毛皮
(
けがは
)
は
役
(
やく
)
に
立
(
た
)
ちますが、
特
(
とく
)
に
北方
(
ほつぽう
)
に
棲
(
す
)
むものほど、
質
(
しつ
)
がいゝのです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
……ナニ、
無事
(
ぶじ
)
か?
無事
(
ぶじ
)
かではない。
考
(
かんが
)
えて
見
(
み
)
たつて
知
(
し
)
れます。
繊弱
(
かよわ
)
い
婦
(
をんな
)
だ、
然
(
しか
)
も
蒲柳
(
ほりう
)
の
質
(
しつ
)
です。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
しかし
金
(
きん
)
は
綺麗
(
きれい
)
で
裝飾
(
そうしよく
)
にはなりますが、
質
(
しつ
)
が
軟
(
やはら
)
かくて
刃物
(
はもの
)
などにしては
實際
(
じつさい
)
の
役
(
やく
)
に
立
(
た
)
ちません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
万代
(
ばんだい
)
に腐らぬ
金銅
(
こんどう
)
の
質
(
しつ
)
を
有
(
も
)
ちて
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
青玉
(
せいぎよく
)
の
質
(
しつ
)
を持ちながら
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
ごく
珍
(
めづら
)
しい
例
(
れい
)
ではありますが、
赤
(
あか
)
い
繪
(
え
)
の
具
(
ぐ
)
で
塗
(
ぬ
)
つたものさへ
見
(
み
)
かけられるのであります。しかし
燒
(
や
)
き
方
(
かた
)
はどれも
軟
(
やはら
)
かい
質
(
しつ
)
ですから、
水
(
みづ
)
を
入
(
い
)
れるとたいていは
浸
(
し
)
み
出
(
だ
)
します。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
白皙蒲柳
(
はくせきほりう
)
の
質
(
しつ
)
に
似
(
に
)
ず、
越中国
(
えつちうのくに
)
立山
(
たてやま
)
、
剣
(
つるぎ
)
ヶ
峰
(
みね
)
の
雪
(
ゆき
)
を、
先頭
(
せんとう
)
第
(
だい
)
四十
何人目
(
なんにんめ
)
かに
手鈎
(
てかぎ
)
に
掛
(
か
)
けた、
登山
(
とざん
)
においては、
江戸
(
えど
)
の
消防夫
(
ひけし
)
ほどの
侠勢
(
きほひ
)
のある、この
博士
(
はかせ
)
の
言
(
ことば
)
を
信
(
しん
)
ずると、
成程
(
なるほど
)
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
玲瓏
(
れいろう
)
、
明透
(
めいてつ
)
、その
文
(
ぶん
)
、その
質
(
しつ
)
、
名玉山海
(
めいぎよくさんかい
)
を
照
(
て
)
らせる
君
(
きみ
)
よ。
溽暑蒸濁
(
じよくしよじようだく
)
の
夏
(
なつ
)
を
背
(
そむ
)
きて、
冷々然
(
れい/\ぜん
)
として
獨
(
ひと
)
り
涼
(
すゞ
)
しく
逝
(
ゆ
)
きたまひぬ。
倏忽
(
たちまち
)
にして
巨星
(
きよせい
)
天
(
てん
)
に
在
(
あ
)
り。
光
(
ひかり
)
を
翰林
(
かんりん
)
に
曳
(
ひ
)
きて
永久
(
とこしなへ
)
に
消
(
き
)
えず。
芥川竜之介氏を弔ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
印
(
しるし
)
の
石
(
いし
)
も
青
(
あを
)
きあり、
白
(
しろ
)
きあり、
質
(
しつ
)
滑
(
なめらか
)
にして
斑
(
ふ
)
のあるあり。あるが
中
(
なか
)
に
神婢
(
しんぴ
)
と
書
(
か
)
いたるなにがしの
女
(
ぢよ
)
が
耶蘇教徒
(
やそけうと
)
の
十字形
(
じふじがた
)
の
塚
(
つか
)
は、
法
(
のり
)
の
路
(
みち
)
に
迷
(
まよ
)
ひやせむ、
異國
(
いこく
)
の
人
(
ひと
)
の、
友
(
とも
)
なきかと
哀
(
あはれ
)
深
(
ふか
)
し。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
質
常用漢字
小5
部首:⾙
15画
“質”を含む語句
性質
僂麻質斯
気質
質問
質素
品質
生質
質朴
氣質
言質
質子
物質
質物
本質
地質
素質
膠質
商人気質
木質
質屋
...