“繊弱”のいろいろな読み方と例文
旧字:纖弱
読み方割合
かよわ62.2%
せんじゃく15.6%
きやしや4.4%
ひよわ4.4%
デリケート4.4%
かぼそ2.2%
かよは2.2%
しなやか2.2%
なよやか2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
恩あるその人のむこうに今は立ち居る十兵衛に連れ添える身のおもてあわすこと辛く、女気の繊弱かよわくも胸をどきつかせながら、まあ親方様
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
また読者中繊弱せんじゃくなる女子に助言するなりまたはその他の親切をいえば、彼奴あいつはチト怪しいと疑われたこともあろう。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
おびやかすやうな定まりない体温、肉体の動揺と不安、悲しい幻滅……色の白い繊弱きやしやな姉さんと違ひ、もと/\夫人はそんな風に成りさうも無かつた人で
灯火 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
一人ッ子と言うばかりでなく、この十三になったばかりの繊弱ひよわい子のうちには、十年前に別れた先妻の忘れ難いおもかげが残って居たのです。
葬送行進曲 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
大束おおたばな事を言って、お静はソッと店中に眼を走らせました。近頃出来の店構えで何となく真新しい普請ですが、そのくせ妙に陰気で妙に手丈夫に出来ているのが、娘の繊弱デリケートな神経を圧迫します。
の葉の騒ぐのとは思いながら、澄んだ耳には、聴き覚えのある皺嗄しゃがれた声や、快活な高声たかごえや、低い繊弱かぼそい声が紛々ごちゃごちゃと絡み合って、何やらしきりにあわただしく話しているように思われる。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
よ/\、おなまぼろしながら、かげ出家しゆつけくちよりつたへられたやうな、さかさまうつばりつるされる、繊弱かよは可哀あはれなものではい。真直まつすぐに、たゞしく、うるはしくつ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
色のとほるばかりに白き、難を求めなば、髪は濃くて瑩沢つややかに、かしらも重げにつかねられたれど、髪際はへぎはすこしく打乱れたると、立てるかたちこそ風にもふまじく繊弱なよやかなれど、おもてやせの過ぎたる為に
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)