“きやしや”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:キヤシヤ
語句割合
華奢80.5%
繊細6.2%
花車4.4%
華車3.5%
繊弱1.8%
奢車0.9%
繊巧0.9%
繊麗0.9%
華繊0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だから彼女の華奢きやしやな薔薇色の踊り靴は、物珍しさうな相手の視線が折々足もとへ落ちる度に、一層身軽くなめらかな床の上をすべつて行くのであつた。
舞踏会 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
白い繊細きやしやな躰と、やゝ黄色い、これも尫弱ひよわさうな躰が、略〻同じやうな脊丈をもつて、二人とも断髪姿で何か嬉しさうに話しながら浴場へおりて来ると
草いきれ (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
港内測量のため異国の火輪船がはじめて新潟港外に悪魔的な花車きやしやな姿を現したとき、この虚無的な港市には未曾有の異変に当るべき武人も武器も持たなかつた。
母を殺した少年 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
次は、仏蘭西フランスの三色旗、空色の洋服を着た華車きやしやな将校が二人、続いて、子供を二人連れた中年の婦人。
けむり(ラヂオ物語) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
さくて繊弱きやしやエエの字は
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
色白で奢車きやしやで、筆跡の美しい、内氣な又六に、劍術の取合せはあまりに唐突です。
花壇の花迄が仏蘭西フランスの様に繊巧きやしやで無く「意志のはな」とでも言ひたい様に底力のある鮮かな色をして居る。古い都だけに建築が寂びて居て清潔な割になまな感を与へないのも好い。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
犬も国にれるもんで、伊太利のやうな美術国だから那様あんな細つこい繊麗きやしやな翫弄犬を生じたのだらう。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
鋳像家ちうざうかわざに、ほとけあかゞねるであらう。彫刻師てうこくしのみに、かみきざむであらう。が、ひとをんな、あの華繊きやしやな、衣絵きぬゑさんを、詩人しじん煩悩ぼんなうるのである。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)