“倏忽”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゅっこつ52.0%
たちまち32.0%
しゅくこつ8.0%
しゆつこつ4.0%
たちどころ4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たちまち降ってはたちまち晴れるというような倏忽しゅっこつの感じなどが、秋よりもむしろ冬のものとして格別の興味のあるところから
俳句とはどんなものか (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
少年は倏忽たちまち屋根から下つた。そして他の人に怪しまれない限り急いで庭へ出て、そこから麻裏草履をはいて河の方へと驅け出して行つた。
少年の死 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
しかして魂気はすなわちかざるところなしか、われ得てこれを知らず。倏忽しゅくこつとして来たり、倏忽として去り、禍福糾縄きゅうじょうす。たれその極を知る。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
余はしゆつと云ふ音と共に、倏忽しゆつこつとわれを去る熱氣が、靜なる京の夜に震動を起しはせぬかと心配した。
京に着ける夕 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あの、筆をもてば、倏忽たちどころに想をのせて走るとうとい指さきは、一寸の針をつまんで他家の新春の晴着はれぎを裁縫するのであった。
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)