“たちどころ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
立処37.8%
立所37.8%
立處9.5%
立地6.8%
忽所2.7%
即座1.4%
倏忽1.4%
立刻1.4%
立在1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其のわなへ入って能くノメ/\と文治郎の宅へ来たな、さア五十両の金を騙り取ろうなどとは申そうようなき大悪人、かく申さば立処たちどころひねり潰して仕舞うぞ
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
だが、叫ぼうものなら、逃げ出そうものなら、立所たちどころに身の破滅だ。彼女は歯を食いしばって、我慢しなければならなかった。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
かねちから權威けんゐもつて、見事みごともの祕藏ひざうすべし、ふたゝこれ阿母おふくろ胎内たいないもどすことこそかなはずとも、などかすべのなからんや、いで立處たちどころしるしせう。
妙齢 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
藥種屋 (藥瓶を渡しながら)これをばおこのみの飮料いんれうれてませられい。たとひ二十人力にんりきおじゃらしませうとも、立地たちどころ片附かたづかッしゃりませう。
忽所たちどころに書き上げられてしまうことだろう。
わが寄席青春録 (新字新仮名) / 正岡容(著)
筆を投ずれば風を生じ百言即座たちどころに発するというのが所謂いわゆる馬琴の作風であって、推敲反覆の京伝から見れば奇蹟と云わなければならなかった。
戯作者 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「八犬伝」の最初の編が一度市場へ現われるや、萬本即座たちどころに売り尽くすという空前の売れ行きを現わした。
戯作者 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
あの、筆をもてば、倏忽たちどころに想をのせて走るとうとい指さきは、一寸の針をつまんで他家の新春の晴着はれぎを裁縫するのであった。
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
また無花果の樹の枯れたのはマルコ伝ではイエスがその樹を詛い給うた翌日(?)であり、マタイ伝では立刻たちどころに枯れたと記されている。その他にも微細な相違が両者の間にある。
踏躙ふみにじみ裂きて、立在たちどころに息の根とどめぬ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)