よう)” の例文
一、 最初さいしよ一瞬間いつしゆんかんおい非常ひじよう地震ぢしんなるかいなかを判斷はんだんし、機宜きゞてきする目論見もくろみてること、たゞしこれには多少たしよう地震知識ぢしんちしきようす。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
しかしその親類の人には、ようさんという彼とおない年位な男に二、三遍会ったぎりで、ほかのものに顔を合せた記憶はまるでなかった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
原文はほど長いものであるから、今そのようつまんでに紹介する。で、その中にわたしとあるのは、即ちの目撃者たる画工自身の事だ。
画工と幽霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
潜𤍠せんねつといふのは物體ぶつたい融解ゆうかいしたり、また蒸發じようはつするときにようする𤍠量ねつりようです。そんなわけで森林しんりん附近ふきん空氣くうきはいつもえてゐます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
ようするに、それは扉をしめる拍子ひょうしに自動式にそこを狙って前の壁の中に仕掛けてある機関銃が一聯の猛射をったものである。
ようするに、寫眞しやしんの本れうは、興味けうみはさういふ意味いみ記録きろくを、いひかへれば、過去くわこ再現さいげんして、おもひ出のたのしさや回想くわいそうの懷かしさをあたへるところにある。
と小文治は早くも心のうちでさとったが、ようするに地理不案内ちりふあんないからきたおちど、いまさら引っかえすわけにはゆかないことは知れきっているので
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もっとも朝鮮ちようせん臺灣たいわん石器時代せつきじだいは、日本内地につぽんないちほうとはまったくことなつた、べつ種族しゆぞくんでゐたことは注意ちゆういようします。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
ようも無きただ一個ひとつの空瓶の口なれば是がまでの手掛りにろうとは思わねど少しの手掛りをも見落さじとの熱心より之も念の為にとて拾い上げしなれ
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
『そうでしょう。』と、かれほそめてうた。『貴方あなただの、貴方あなた補助者ほじょしゃのニキタなどのような、そう人間にんげんには、未来みらいなどはなんようわけです。 ...
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
さてこの独化どっか独生どくせいの人が独り天地の間にるときに当たりては、もとより道徳のようあるべからず。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
なにもすることのできなかったのは、ようするに、自分じぶんに、勇気ゆうきというものが、かけていたのだ。勇気ゆうきさえあれば、ただしいはんだんにしたがって、できるだけのことをしたであろう。
考えこじき (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのために私はわざと遅れて行くか、でない時は、教師が子供らの名を呼んでいる間じゅう机のふたをあけてその中に顔を突っ込んでいたり、ようもない本をひらいて読んでいたりした。
あにこの最終さいしうの一夜にのぞんでうらみをぶべけんや、し此探検中あめふことおほかりせば尚二倍の日子をようすべく、病人も生ずべく、めに半途帰路にくか或は冒進ぼうしんして餓死におちゐるか
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
こんなようもない場所に人がいようとは、思いもかけなかったものですから、私はそこへ立すくみ、何かその男が昨夜の曲者ででもある様に、おずおずと相手の挙動を眺めたものです。
湖畔亭事件 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
其結果は如何である? 儂が越して程なくようあって来訪した東京の一紳士しんしは、あまり見すぼらしい家の容子ようすに掩い難い侮蔑を見せたが、今年来て見た時は、眼色にあらそわれぬ尊敬を現わした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ようするに、自分をつよ意識いしきするのがわるいのだ。自分を強く意識いしきするから、世の中がきゅうくつになる。主人はこんな結論けつろんをこしらえてみたけれど、すぐあとからあやふやになってしまった。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
前置まえおきづきだが、ようするにことというものは何だか一種凄みのあるものだということにすぎぬ、これからはなすことも矢張やっぱりことに関係したことなので、そののち益々ますます自分はことを見ると凄いかんじおこるのである。
二面の箏 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
そのさいうして男性だんせい女性じょせい区別くべつしょうずるかともうすことは、にも重大じゅうだいなる神界しんかい秘事ひじでございますが、ようするにそれは男女なんによいずれかが身魂みたま中枢ちゅうすう受持うけもつかできまることだそうで、よくをつけて
多年来たねんらい西洋の書をこうじて多少に得たるところのその知見ちけんも、今や始めて実物じつぶつに接して、おおい平生へいぜい思想しそう齟齬そごするものあり、また正しく符合ふごうするものもありて、これをようするに今度の航海は
「あッ、ようさん」
礫心中 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
たゞこゝにことわりをようすることは噴火ふんかといふ言葉ことば使つかかたである。文字もんじからいへばくとなるけれども、これはえるすのではない。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
で万吉は、いちはやく、阿波方のものも今日のことを知って、周馬の行く先をようすべく待ちかまえているのを察した。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こゝを一應いちおう見物けんぶつするだけでも一日いちにちようしますが、入場にゆうじよう無料むりようであり、かさつゑあづかつてくれても賃錢ちんせんりません。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
しかしようするに、電波は上へ上っても、電気天井でねかえされることが判りました。
科学が臍を曲げた話 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
勿論もちろんこれは雑作ぞうさいことですが、それには別室べっしつ修繕しゅうぜんようするとうそのことです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
非局部性ひきよくぶせい大地震だいぢしんおこことのある海洋底かいようていせつした海岸地方かいがんちほうは、大搖おほゆれの地震ぢしん見舞みまはれた場合ばあひ津浪つなみについての注意ちゆういようする。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
聡明そうめいなるそなたにこれ以上いじょう多言たごんようすまいと思う。せつに、そなたの反省はんせいをたのむ。そしてそなたが祖父そふ機山きざんより以上いじょう武士もののふぎょうをとげんことをいのる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ようするにこの石器せつき青銅器せいどうきおよ鐵器てつきみつつの時代じだいによつて考古博物館こうこはくぶつかんは、その陳列ちんれつする品物しなもの區別くべつし、時代別じだいべつによつて人類じんるい遺物いぶつならべてくのが普通ふつう方法ほう/\となつてをります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
ようするに、イギリス政府は、こうなる以前に、早くも本土をうしなうことを勘定にいれて、金貨の入ったたるを方々の島や海底に隠したり、艦船用の燃料貯蔵槽ちょぞうそうを方々の海中に沈めたり
暗号音盤事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
教場内きようじようないおいてはつくゑしたもつと安全あんぜんであるべきことは説明せつめいようしないであらう。下敷したじきになつた場合ばあひおいて、致命傷ちめいしようあたへるものははりけたとである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
ようするに、われわれの今すんでいる海底都市は何者かによってねらわれているような気がするんだ。われわれはゆだんがならない。くわしいことは、中へ入ってから話そう。さあ、早く入りたまえ
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
火山毛かざんもう成因せいゝん一應いちおう説明せつめいようする。讀者どくしや化學かがくまた物理學ぶつりがく實驗じつけんおいて、硝子管がらすくだかしながらきゆうきちぎると、くだはしほそいとくことを實驗じつけんせられたことがあるであらう。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
ようは、今しがたの停電は二人の男が変電所の一千ヴォルトの電極に触れて感電死したことによるもので、二人共全身黒焼けとなり一見いずれが誰と識別しきべつし難いが、一人は勤務中であった技手土岐健助
白蛇の死 (新字新仮名) / 海野十三(著)