“修繕”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゅうぜん50.0%
なお10.0%
つくろ10.0%
ていれ5.0%
なほ5.0%
しうぜん3.3%
しゅぜん3.3%
つくろひ3.3%
つくろい1.7%
しつらひ1.7%
しゆうぜん1.7%
そそく1.7%
なおし1.7%
なほし1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ふたりはわくわくして修繕しゅうぜんにとりかかった。まったくゆめのような気持ちだ。自転車をなおしたことのない人にはとてもわかるまい。
空気ポンプ (新字新仮名) / 新美南吉(著)
不思議に思って、江戸でたった一軒の、和蘭物オランダもの修繕なおす家で訊くと、近頃ギヤマンの懐中鏡の水銀を貼り替えたのは、お寿じゃなくてお政だった
引剥ひきはがした紙をもとの通りに修繕つくろって、絵巻物を御本尊様の胎内に返してしまいましたが、盗む時よりも返す時の方が、よっぽど怖う御座いました……そうして
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
で、機械や小舎こや修繕ていれなどを見込むと、鼠一頭の純益が一年に彼是かれこれ三円はあるさうだ。
ボンボン時計を修繕なほす禿頭は硝子戸の中に俯向いたぎりチツクタツクと音をつまみ、本屋の主人あるじは蒼白い顔をして空をただ凝視みつめてゐる。
水郷柳河 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
死骸の側、土竈へ眼を移すと、修繕しうぜんの跡と見せた右側の板——一尺に五寸ほど剥ぎ取られ、その跡には眞つ黒な穴が一つ、ポツコリと口を開いて居るではありませんか。
岩と岩との間は飛んで渡るより他はない、二人は蛇のような山蔦やまづたの太いつるすがって、さながら架空線を修繕しゅぜんする工夫こうふのように、宙にぶらさがりながら通り越した。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
処々に小さな砂丘が出来て居て、その一つの蔭に十五六人の漁師等が網を引き合つて、修繕つくろひをしてゐる。風が烈しく吹いてぱら/\、ぱら/\砂山から砂を吹き掛ける。
伊良湖の旅 (新字旧仮名) / 吉江喬松(著)
やりかけておりました蒸籠せいろ修繕つくろいを片づけまして、煙草を一服吸うてから草鞋穿わらじばきのまま出かけましたのが、かれこれ四時頃で御座いましつろうか。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
爲難なしがたし依て一先ひとまづ江戸表へ御旅館ごりよくわん修繕しつらひとく動靜やうす見計みはからひ其上にて御下り有て然るべし其あひだには江戸表の御沙汰ごさたも相分り申さんへんおうじて事を計らはざれば成就じやうじゆほど計難はかりがたしといふに然ば江戸表に旅館りよくわん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この土器どき石器せつきおなじように、あるひは石器せつきよりもより以上いじように、一度いちど破損はそんした場合ばあひはとうてい修繕しゆうぜん出來できない。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
「ウム。修繕そそくりよるとたい。何かの役に立つかも知れんと思うて……」
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
お茶人の浅田屋総兵衛がお預かりして懇意な窯元かまもと修繕なおしに廻すはずだったのが、浅田屋の土蔵の中で、いつの間にやら紛失してしまったのです。
曙井戸あけぼのゐどの茶碗に、近頃小さい乍ら傷が見えたので、お茶人の淺田屋總兵衞がお預りして懇意な竈元かまもと修繕なほしに廻す筈だつたのが、淺田屋の土藏の中で、何時の間にやら紛失して了つたのです。