“回想”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くわいさう35.7%
かいそう21.4%
おもひで7.1%
おもいだ7.1%
おもいで7.1%
かんがへ7.1%
くわいそう7.1%
リメイン7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一々でもりたいほどに氣遣きづかはれる母心はゝごゝろが、いまはしい汚點しみ回想くわいさうによつて、そのくちはれてしまふのである。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
結婚当時けっこんとうじからのことをいろいろ回想かいそうしてみると、つまたいしての気のどくな心持こころもち、しゅうとしゅうとめに対して面目めんぼくない心持ち、いちいち自分をくるしめるのである。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
広野、湯の丸、籠の塔、または三峯さんぽう、浅間の山々、其他ところ/″\に散布する村落、松林——一つとして回想おもひでの種と成らないものはない。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
回想おもいだして「水の世話にさえならなきゃ如彼あんな奴に口なんかかしや仕ないんだけど、房州の田舎者奴いなかものめが、可愛がって頂だきゃ可い気になりゃアがってどうだろうあの図々ずうずうしい案梅あんばいは」とお徳の先刻さっきの言葉を
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
熱い空気に蒸される林檎の可憐らしい花、その周囲を飛ぶ蜜蜂の楽しい羽音、すべて、見るもの聞くものは回想おもいでのなかだちであったのである。
朝飯 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
いまになつて回想かんがへると、三ねん月日つきひもさて/\はやいものだ。
ようするに、寫眞しやしんの本れうは、興味けうみはさういふ意味いみ記録きろくを、いひかへれば、過去くわこ再現さいげんして、おもひ出のたのしさや回想くわいそうの懷かしさをあたへるところにある。
由来人類史は「背に腹は換へられぬ」歴史で、取残された「消費」を回想リメインさせるのは芸術である。
芸術論覚え書 (新字旧仮名) / 中原中也(著)