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女中
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ぢよちゆう
ふりがな文庫
“
女中
(
ぢよちゆう
)” の例文
『あゝつ、』と
忌
(
いま
)
はしさに
手
(
て
)
で
払
(
はら
)
つて、
坐
(
すは
)
り
直
(
なほ
)
して
其処等
(
そこら
)
を
眴
(
みまは
)
す、と
密
(
そつ
)
と
座敷
(
ざしき
)
を
覗
(
のぞ
)
いた
女中
(
ぢよちゆう
)
が、
黙
(
だま
)
つて、スーツと
障子
(
しやうじ
)
を
閉
(
し
)
めた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
入
(
い
)
らつしやいまし。」と
若
(
わか
)
い
女中
(
ぢよちゆう
)
が
上
(
あが
)
り
口
(
ぐち
)
の
板
(
いた
)
の
間
(
ま
)
に
膝
(
ひざ
)
をつき、
出
(
だ
)
してあるスリツパを
揃
(
そろ
)
へ、「どうぞ、お二
階
(
かい
)
へ。
突当
(
つきあた
)
りが
明
(
あ
)
いてゐます。」
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
みんな
私
(
わたし
)
の
恩人
(
おんじん
)
といふて
宜
(
よ
)
い、
今
(
いま
)
このやうに
好
(
い
)
い
女中
(
ぢよちゆう
)
ばかり
集
(
あつ
)
まつて、
此方
(
こち
)
の
奧樣
(
おくさま
)
ぐらゐ
人
(
ひと
)
づかひの
宜
(
い
)
い
方
(
かた
)
は
無
(
な
)
いと
嘘
(
うそ
)
にも
喜
(
よろこ
)
んだ
口
(
くち
)
をきかれるは
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
土産物
(
みやげもの
)
は
女中
(
ぢよちゆう
)
や
娘
(
むすめ
)
に
分配
(
ぶんぱい
)
してしまつた。
彼等
(
かれら
)
は
確
(
たし
)
かによろこんだ、
然
(
しか
)
し
僕
(
ぼく
)
は
嬉
(
うれ
)
しくも
何
(
なん
)
ともない。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
机
(
つくゑ
)
の
前
(
まへ
)
にマツチは
有
(
あ
)
つて、
彼
(
かれ
)
は
其
(
そ
)
れを
見
(
み
)
てゐながら、
其癖
(
そのくせ
)
、
大聲
(
おほごゑ
)
を
上
(
あ
)
げて
小使
(
こづかひ
)
を
呼
(
よ
)
んでマツチを
持
(
も
)
つて
來
(
こ
)
いなどと
云
(
い
)
ひ、
女中
(
ぢよちゆう
)
のゐる
前
(
まへ
)
でも
平氣
(
へいき
)
で
下着
(
したぎ
)
一つで
歩
(
ある
)
いてゐる、
下僕
(
しもべ
)
や、
小使
(
こづかひ
)
を
捉
(
つかま
)
へては
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
ト
前刻
(
さつき
)
、
止
(
よ
)
せ、と
云
(
い
)
つて
留
(
と
)
めたけれども、
其
(
それ
)
でも
女中
(
ぢよちゆう
)
が
伸
(
の
)
べて
行
(
い
)
つた、
隣
(
となり
)
の
寐床
(
ねどこ
)
の、
掻巻
(
かいまき
)
の
袖
(
そで
)
が
動
(
うご
)
いて、
煽
(
あふ
)
るやうにして
揺起
(
ゆりおこ
)
す。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
自分
(
じぶん
)
は
狼
(
おほかみ
)
につまゝ
ら
(
ママ
)
れたやう
に
(
ママ
)
顏
(
かほ
)
をして(
多分
(
たぶん
)
他
(
ほか
)
から
見
(
み
)
ると
其樣
(
そんな
)
顏
(
かほ
)
であつたらうと
思
(
おも
)
ふ)『やれ/\』とも『
先
(
ま
)
づ/\』とも
何
(
なん
)
とも
言
(
い
)
はず
女中
(
ぢよちゆう
)
のすゝめる
椅子
(
いす
)
に
腰
(
こし
)
を
下
(
おろ
)
した。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
渡
(
わた
)
す
人
(
ひと
)
知
(
し
)
りし
顏
(
かほ
)
の
女中
(
ぢよちゆう
)
ならば
何
(
なに
)
とせん
詞
(
ことば
)
がけられなば
何
(
なに
)
といはん
恥
(
はぢ
)
の
上塗
(
うはぬ
)
りは
要
(
えう
)
なきことなり
車代
(
しやだい
)
といふも
知
(
し
)
れたもの
受
(
う
)
けずともよし
此
(
この
)
まゝに
歸
(
かへ
)
らんか
否
(
いな
)
是
(
こ
)
れ
欲
(
ほ
)
しければこそ
雪
(
ゆき
)
の
夜
(
よ
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
浴室
(
ゆどの
)
だ、
浴室
(
ゆどの
)
だ。
見
(
み
)
ておいで。と
女中
(
ぢよちゆう
)
を
追遣
(
おひや
)
つて、
倒
(
たふ
)
れ
込
(
こ
)
むやうに
部屋
(
へや
)
に
入
(
はい
)
つて、
廊下
(
らうか
)
を
背後向
(
うしろむ
)
きに、
火鉢
(
ひばち
)
に
掴
(
つかま
)
つて、ぶる/\と
震
(
ふる
)
へたんです。……
老爺
(
おぢい
)
さん。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
主人
(
あるじ
)
は
忠實
(
ちゆうじつ
)
な
人
(
ひと
)
であるから、
非常
(
ひじやう
)
に
歡迎
(
くわんげい
)
して
呉
(
く
)
れた。
湯
(
ゆ
)
に
入
(
はひ
)
つて
居
(
ゐ
)
ると
女中
(
ぢよちゆう
)
の
一人
(
ひとり
)
が
來
(
き
)
て
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
夜
(
よ
)
もすがら
枕近
(
まくらちか
)
くにありて
悄然
(
しよんぼり
)
とせし
老人
(
としより
)
二人
(
ふたり
)
の
面
(
おも
)
やう、
何處
(
どこ
)
やら
寢顏
(
ねがほ
)
に
似
(
に
)
た
處
(
ところ
)
のあるやうなるは、
此娘
(
このむすめ
)
の
若
(
もし
)
も
父母
(
ちゝはゝ
)
にてはなきか、
彼
(
か
)
のそゝくさ
男
(
をとこ
)
を
始
(
はじ
)
めとして
女中
(
ぢよちゆう
)
ども一
同
(
どう
)
旦那樣
(
だんなさま
)
御新造樣
(
ごしんぞさま
)
と
言
(
い
)
へば
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
湯原
(
ゆがはら
)
の
温泉宿
(
をんせんやど
)
中西屋
(
なかにしや
)
の
女中
(
ぢよちゆう
)
である!
今
(
いま
)
僕
(
ぼく
)
の
斯
(
か
)
う
筆
(
ふで
)
を
執
(
と
)
つて
居
(
を
)
る
家
(
うち
)
の
女中
(
ぢよちゆう
)
である!
田舍
(
ゐなか
)
の
百姓
(
ひやくしやう
)
の
娘
(
むすめ
)
である!
小田原
(
をだはら
)
は
大都會
(
だいとくわい
)
と
心得
(
こゝろえ
)
て
居
(
ゐ
)
る
田舍娘
(
ゐなかむすめ
)
! この
娘
(
むすめ
)
を
僕
(
ぼく
)
が
知
(
し
)
つたのは
昨年
(
さくねん
)
の
夏
(
なつ
)
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
屹度
(
きつと
)
車
(
くるま
)
今少
(
いますこ
)
しの
御辛防
(
ごしんばう
)
と
引
(
ひ
)
く
手
(
て
)
も
引
(
ひ
)
かるゝ
手
(
て
)
も
氷
(
こほ
)
りつくやうなり
嬉
(
うれ
)
しやと
近
(
ちか
)
づいて
見
(
み
)
ればさても
破
(
やぶ
)
れ
車
(
ぐるま
)
モシと
聲
(
こゑ
)
はかけしが
後退
(
あとじ
)
さりする
送
(
おく
)
りの
女中
(
ぢよちゆう
)
ソツとお
高
(
たか
)
の
袖引
(
そでひ
)
きてもう
少
(
すこ
)
し
參
(
まゐ
)
りませうあまりといへばと
跡
(
あと
)
は
小聲
(
こごゑ
)
なり
折
(
をり
)
しも
降
(
ふり
)
しきる
雪
(
ゆき
)
にお
高
(
たか
)
洋傘
(
かうもり
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此二
(
このふたつ
)
の
悲劇
(
ひげき
)
が
終
(
をわ
)
つて
彼是
(
かれこれ
)
する
中
(
うち
)
、
大磯
(
おほいそ
)
へ
着
(
つ
)
くと
女中
(
ぢよちゆう
)
が三
人
(
にん
)
ばかり
老人夫婦
(
としよりふうふ
)
を
出迎
(
でむかへ
)
に
出
(
で
)
て
居
(
ゐ
)
て、
其
(
その
)
一人
(
ひとり
)
が
窓
(
まど
)
から
渡
(
わた
)
した
包
(
つゝみ
)
を
大事
(
だいじ
)
さうに
受取
(
うけと
)
つた。
其中
(
そのなか
)
には
空虚
(
からつぽ
)
の
折箱
(
をり
)
も三ツ
入
(
はひ
)
つて
居
(
ゐ
)
るのである。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
れて
憚
(
はゞか
)
りさまといひも
敢
(
あへ
)
ず
更
(
ふ
)
けぬ
内
(
うち
)
にお
急
(
いそ
)
ぎなされなまなかお
止
(
と
)
め
申
(
まを
)
さずば
是
(
こ
)
れ
程
(
ほど
)
に
積
(
つも
)
るまいものお
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
のこといたしたりお
詫
(
わび
)
はいづれと
送
(
おく
)
り
出
(
だ
)
す
門口
(
かどぐち
)
犬
(
いぬ
)
の
子
(
こ
)
の
聲
(
こゑ
)
恐
(
おそ
)
ろしけれど
送
(
おく
)
りの
女中
(
ぢよちゆう
)
が
骨
(
ほね
)
たくましきに
心強
(
こゝろづよ
)
くて
軒下傳
(
のきしたづた
)
ひ
三町
(
さんちやう
)
ばかり
御覽
(
ごらん
)
なされませあの
提灯
(
ちやうちん
)
は
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“女中”の意味
《名詞》
女中(じょちゅう)
他家や旅館などに住み込みで雑用などをする女性。
(context、dated)女性の敬称。
(出典:Wiktionary)
“女中”の解説
女中(じょちゅう、めちゅう)とは、家庭・旅館・料亭などにおいて、住み込みで働く女性の日本における歴史的呼称である。
(出典:Wikipedia)
女
常用漢字
小1
部首:⼥
3画
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
“女中”で始まる語句
女中衆
女中部屋
女中頭
女中奉公
女中達
女中風