黒曜石こくようせき)” の例文
燧石ひうちいし黒曜石こくようせきや、安山岩あんざんがんるいつくつたものがおほいのでありますが、ときには水晶すいしよう瑪瑙めのうのような綺麗きれいいしつくつたものもあります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
そしてそうだ、向うのがけの黒いのはあれだ、明らかにあの黒曜石こくようせきの dyke だ。ここからこんなにはっきり見えるとは思わなかったぞ。
台川 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
呟きながら、横へさした黄楊つげくしで、洗い髪の毛の根を無性に掻きながら、黒曜石こくようせきの歯をならべた鉄漿おはぐろくちから、かすかな舌打ちをもらしていた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その星の光が、水晶のような氷の肌に、かすかに映えて、あたかも黒曜石こくようせきのように美しかった。
怪奇人造島 (新字新仮名) / 寺島柾史(著)
黒曜石こくようせき色の瞳を異妖な情熱に輝やかしつつ、彼女の方からウネウネと身体からだを乗出して来たので、たまらない息苦しい眩惑をクラクラと感じた支配人は、今更のようにヘドモドし初めた。
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
野蠻やばん時代じだいでもうつくしい石材せきざい地方ちほうから輸入ゆにゆうして使用しようしたことがあるばかりでなく、燧石ひうちいしだとか、黒曜石こくようせきのようなものでも、その地方ちほうさんしない場合ばあひ
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
「この地図ちずはどこで買ったの。黒曜石こくようせきでできてるねえ」
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
と、女神は黒曜石こくようせきのようなを侍女へやって
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)