かれひ)” の例文
『近頃、わしの釣るかれひは全部真白だよ、この頃の海の水は非常にきれいになつた、それで鰈の奴も白くなつたのだらう——』
小熊秀雄全集-14:童話集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
「何だ。親に向かつてそんな眼をするやつがあるか。そんな眼で親をにらむ奴は、今にかれひになつてしまふから見とれつ。」
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
遠浅にかれひつる子のむしろを春かぜ吹きぬ上総かづさより来て
舞姫 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
くちよければ仕入しいれあたらしく新田につた苗字めうじそのまゝ暖簾のれんにそめて帳場格子ちやうばがうしにやにさがるあるじの運平うんぺい不惑ふわくといふ四十男しじふをとこあかがほにしてほねたくましきは薄醤油うすじやうゆきすかれひそだちてのせちがらさなめこゝろみぬわたりの旦那だんなかぶとはおぼえざりけり
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)