はく)” の例文
この覇王樹さぼてんも時と場合によれば、余のはくを動かして、見るや否や山を追い下げたであろう。とげに手を触れて見ると、いらいらと指をさす。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
燈火よ、客のこんはくとなりしかならざるか、飛遊して室中にはとゞまらず、なんぢなんすれぞ守るべき客ありと想ふや。
松島に於て芭蕉翁を読む (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
支那でも『抱朴子』に、分形すればすなわち自らその身三魂七はくなるを見る。『酉陽雑俎ゆうようざっそ』に人身三万六千神その処に随ってこれに居るなどあるをかんがえ合すべし。
くせん。人の生、はじめて化するをはくという。すでに魂を生ず。陽をこんという。物を用いてせい多ければ、すなわち魂魄こんぱく強し。ここをもって、精爽せいそうにして神明に至るあり。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
詩はわがこんを動せども、樂はわが魂と共に、わが耳によりてわがはくうごかせり。夕されば我窓の外に、一群の小兒來て、聖母の像を拜みて歌へり。その調は我にわがをさなかりける時を憶ひ起さしむ。
竹間ちくかん梅棕ばいそう森然しんぜんとして鬼魅きび離立笑髩りりつしょうひんじょうのごとし。二三子相顧あいかえりみ、はく動いていぬるを得ず。遅明ちめい皆去る
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もってろうをなす。人のはじめて死す、七日をもって忌をなす。一臘して一はくなり。ゆえに七七、四十九日にして七魄そなわる。一忌して一魄散ず。ゆえに七七、四十九日にして七魄散ず
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
鬼の盛んなる、上に発揚してこれをはくという。魂魄合してこれを神という
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)