ぱつ)” の例文
旧字:
ところが、この楊志ですらも、呼延灼こえんしゃく双鞭そうべんの秘術には敵の一ぱつも斬ることはできなかった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ある夜、清兵衛が徒歩で、しろの外に出ていったのを知った城兵じょうへい二、三人は、うまやにしのんで、朝月をころして食おうとした。そして、やりをひねってつき殺そうとした、かいぱつ
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)
踏みこまねば際限きりがない! と気負きおいたった栄三郎が、泰軒にあとを頼んで戸のあいだに身を入れたかんぱつ! 内側に待っていた氷剣、宙を切って栄三郎の肩口へ! と見えた瞬間しゅんかん
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
鎧通よろいどおしをひきぬき、逆手さかてにもって、グイと民部の首根くびねにせまった。民部は、そうはさせまいと、下から短剣たんけんをぬき、足をもがき、ここ一ぱつのあらそいとなって、たがいに必死。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だが、——竹童の今は、しんに、かんぱつをおくもない危機ききである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)