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風藥
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かぜぐすり
なしけるが新道の
玄柳方にて
調合なし
貰はんと
出行體故素知らぬ
面に
臺所へ
立戻りたり又彼の
玄柳は毒藥のことを
請合けれども
針醫の事なれば
毒藥を
求めんこと
難しと思へば
風藥二
服を
も
欺き
課せんとする程の
大膽不敵なれば間もなく
見樣見眞似にて
風藥の葛根湯位は
易々と
調合する樣に成ける程に武田長生院も
下男にも
珍しき
奴なれど
扨心の
寛せぬ勤め振と
流石に老醫常々
親戚の者へ語られしとぞ作藏の
僅か三年
越の奉公中に
醫の道を