風気ふうき)” の例文
旧字:風氣
此地火一に陰火いんくわといふ。かの如法寺村によほふじむらの陰火も微風すこしのかぜいづるに発燭つけぎの火をかざせば風気ふうきおうじてもゆる、陽火やうくわざればもえず。
「いえあの、な、泣いたのではござりませぬ。不調法御免下さりませ。風気ふうきの気味が厶りますので、つい鼻が、鼻がつまったので厶ります……」
十万石の怪談 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
いよ/\となれば、うちからかねを取りせる気でゐた。それから、本来が四辺しへん風気ふうきを換えるのを目的とする移動だから、贅沢の方面へは重きを置かない決心であつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「奥方さまのおたのみで、お祈祷いのりにあがりました……ハイ、三人の姫君さまが、そろいもそろうてご風気ふうき大熱たいねつ……そのご平癒へいゆを神さまにおいのりしてくれとのごじょうをうけてまいりました」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此地火一に陰火いんくわといふ。かの如法寺村によほふじむらの陰火も微風すこしのかぜいづるに発燭つけぎの火をかざせば風気ふうきおうじてもゆる、陽火やうくわざればもえず。