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頓間
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とんま
ふりがな文庫
“
頓間
(
とんま
)” の例文
車を下りて歩かうにも、足駄の
丈
(
たけ
)
が立たない。腹は立つし、気は焦々するし、車夫の
頓間
(
とんま
)
を罵つて見たが何うも仕方がない。
初冬の記事
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
何にも知らない獲物は、平気で
頓間
(
とんま
)
な顔付きをしながら、ノソノソ、ノソノソとだんだん落しに近づいて来る……。
禰宜様宮田
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
しかるにこれらの大奸賊といふものに、なつてくれば、なかなか公然と張つてある法網に触れて、監獄といふ、小さな箱の中へ這入るやうな、
頓間
(
とんま
)
な事はしない。
誰が罪
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
その四五人のうちの一人が、グッとこっちを
睨
(
にら
)
みかえしたのを見ると、彼は、
周章
(
あわ
)
てて入口の扉のうちに、姿を隠した。その
頓間
(
とんま
)
男も、どこかで、見た男だった。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「結構すぎるぐらいですよ、お品さん、大の男の、あまりはしっこそうなのは、かえって相手に用心させるから、私はガラッ八ぐらいな
頓間
(
とんま
)
な顔をしたのが欲しいんだ」
銭形平次捕物控:018 富籤政談
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
却々
(
なかなか
)
もって、八さん熊さんと同列に落語の中の人物になるような
頓間
(
とんま
)
な飲み方はしないのである。
勉強記
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「
頓間
(
とんま
)
。間抜け。トンチキ。これあ潜水艇じゃねえやい……何という
恥曝
(
はじさら
)
しだ。これあ……」
山羊髯編輯長
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
何処かにおどけた
頓間
(
とんま
)
な処があって、容易に人を掴まえることが出来ません。
幇間
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「それなら——ああ、心配致しました。この婆め、
頓間
(
とんま
)
で、いつも——」
三人の相馬大作
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
懐
(
なつか
)
しいと思ふこともあつたり、
惨
(
みじめ
)
な目にあつてゐるであらうと思ふこともあつたりすることはあるが、彼はすぐに気が
昂
(
たかぶ
)
つて、あの事がすつかり
露顕
(
ばれ
)
てしまふ様になつた
良人
(
をつと
)
の
頓間
(
とんま
)
さを思ひ返しては
夜烏
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
「何しろ
頓間
(
とんま
)
だね。」
父の死
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
………僕はね、文造、若し卑怯な事をしてもいゝ積りなら、お前にこんな話をしないで黙つて約束を破つてしまふよ。若しも僕がいつもの不良少年で居るなら、こんな
頓間
(
とんま
)
な事はしやあしないよ。
戯曲体小説 真夏の夜の恋
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
頓
常用漢字
中学
部首:⾴
13画
間
常用漢字
小2
部首:⾨
12画
“頓”で始まる語句
頓
頓着
頓狂
頓死
頓馬
頓挫
頓首
頓智
頓興
頓著