面喰めんく)” の例文
ルパンもまた面喰めんくらって呆然たる事しばし、この女はルパンを知っている! 知っているのみならず、得意の変装まで看破してしまったのだ!
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
人相と言い、場合と申し、ズドンとやりかねない勢いでごさいますから、画師さんは面喰めんくらったに相違ございますまい。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小使こづかいが私の家に走って、母が呼び出された。校長の前に呼び出された母は、初めはちょっと面喰めんくらったような風だったが、母にはすぐ事の真相がつかめたらしかった。
そりゃ学理から云えばいろいろ解釈がつくかも知れないけれども、まあ何だね、実際はその女が厭になったに相違ないとしたところで、当人面喰めんくらったんだね、まず第一に。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ところがそれらの句を見て、俳句とは大方こんなものだ、と見当をつけていたものが、前掲の凡兆ぼんちょう以下の句のごときに接するとちょっと面喰めんくらわざるを得なかったのであります。
俳句とはどんなものか (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
お神が弁天さまの砂糖漬さとうづけがお好きといわれるほどの面喰めんくいであったところから、金に糸目をつけず、綺麗首きれいくびそろえたのだったが、その中で契約の年期一杯に勤めたものといっては
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
私はその技師をとらえて彼の面喰めんくらうのも構わずに、矢つぎ早やの質問をあびせました。そして、ヘドモドしながら彼の答えたところを要約しますと、つまりこういう次第だったのです。
鏡地獄 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「え、何うせ然うなんですよ。にくらしい!………」と眼に險を見せ、些と顎をしやくツて、づいと顏を突出す。其の拍子ひやうしに、何か眼に入ツたのか、お房は急に肝々きよと/\して、ひど面喰めんくツたていとなる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
……しかも、それは君の許嫁いいなずけだというのでスッカリ君を面喰めんくらわせたろう
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
厚着をしていたのと、酔っていた所なので、彼は少からず面喰めんくらった。
濞かみ浪人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
飛びこんだはいいが、溝板どぶいたがガタガタと鳴るのに面喰めんくらった。
ゴールデン・バット事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
庄次郎は、面喰めんくらって
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)