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雲上
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うんじょう
ふりがな文庫
“
雲上
(
うんじょう
)” の例文
どうも、
雲上
(
うんじょう
)
の特性というのか、後白河法皇のお気もちのみは、ぼくらの文学的神経や庶民感覚では、分かりにくいふしがしばしばある。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
四民同等の今日とて
地下
(
じげ
)
と
雲上
(
うんじょう
)
の
等差
(
ちがい
)
口惜し、珠運を
易
(
やす
)
く見積って何百円にもあれ何万円にもあれ
札
(
さつ
)
で唇にかすがい
膏打
(
こううつ
)
ような処置、遺恨千万
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
どうもお育ちがらはまた格別違ったもんだ。ありゃもう自然、天然と
雲上
(
うんじょう
)
になったんだな。どうして下界のやつばらが
真似
(
まね
)
ようたってできるものか
外科室
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
やんごとない
雲上
(
うんじょう
)
の女房でいらっしゃいましたから、姿かたちの美しさ、お顔の色の雪のような白さは、
二十
(
はたち
)
ほどにしか見えぬくらいでござりました
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
毎年宇治の
銘
(
めい
)
を選んで
雲上
(
うんじょう
)
に
献
(
たてまつ
)
り、「玉露」と名付けて
芳
(
ほう
)
を全国に伝ふ。当主を
坪右衛門
(
つぼえもん
)
と云ひ一男三女を持つ。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
「人に髪を結ってもらって、今からそんな
雲上
(
うんじょう
)
を言うものじゃないよ。」と、母親も
癇癪
(
かんしゃく
)
を起して、口を
尖
(
とんが
)
らかしてぶつぶつ言いながら、髪を引っ張っていた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
雲上
(
うんじょう
)
から下界に降る心地して、惜しい
嶝道
(
とうどう
)
を到頭下り尽した。石門を出ると、川辺に幾艘の小舟が
繋
(
つな
)
いである。小旗など立てた舟もある。船頭が上って来て乗れとすゝめる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「それは
雲上
(
うんじょう
)
のこと、
公卿
(
くげ
)
の家じゃ」
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「一日でも、あんな鳳輦に
侍
(
かしず
)
いてみたら」と、
雲上
(
うんじょう
)
の生活に、あこがれと
諦
(
あきら
)
めをもって、自分たち庶民の宿命を、その後でさびしく眺め合った。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「もとより田舎武者。
雲上
(
うんじょう
)
にまで聞えているほど名のある者ではございませぬ」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かつは、世に聞いたこともない破格なる
地下人
(
ちげびと
)
の
内昇殿
(
ないしょうでん
)
のおゆるし。われら
雲上
(
うんじょう
)
の
座
(
ざ
)
に、かれら
野臭
(
のぐさ
)
い荒くれ者を、ただの一
人
(
にん
)
とて、同座あること、さきに古例なく、末のみだれもいかが。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たとえひとりの忠盛でも、
帝座
(
ていざ
)
にまぢかい
殿上
(
てんじょう
)
へ、地下人を上げるなどは、かれらの狭量と排他性がゆるさない。
雲上
(
うんじょう
)
の特権を破壊されると感じたのである。スガ目の伊勢こそは、油断がならぬ。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“雲上”の意味
《名詞》
雲の上。
宮中。禁中。
(出典:Wiktionary)
雲
常用漢字
小2
部首:⾬
12画
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“雲上”で始まる語句
雲上人
雲上山
雲上明鑑
雲上殿裡