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陶物
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すえもの
ふりがな文庫
“
陶物
(
すえもの
)” の例文
近づいて、抱きおこそうとするが、その手つきは、まるで、砕けやすい
陶物
(
すえもの
)
か、散りかけた花をでも取り上げようとするかのように、あぶなげだ。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
みじんになった
陶物
(
すえもの
)
の
破片
(
はへん
)
を越えて、どッ、
泉
(
いずみ
)
をきったような
清水
(
しみず
)
があふれだしたことはむろんだが、
猫
(
ねこ
)
もでなければ
呂宋兵衛
(
るそんべえ
)
の
正物
(
しょうぶつ
)
もあらわれなかった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
丈は一尺ほどで、形はやや
平目
(
ひらめ
)
。
茶釉
(
ちゃぐすり
)
に薄い
鶉斑
(
うずらふ
)
があり、アッサリとして軽い出来で、底がすこし凹んでいる。
土師物
(
はじもの
)
と
陶物
(
すえもの
)
の間を行ったような見馴れる壺であった。
呂宋の壺
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
二足三足
(
ふたあしみあし
)
つきてゆけば、「かしこなる
陶物
(
すえもの
)
の間見たまいしや、東洋産の
花瓶
(
はながめ
)
に知らぬ草木鳥獣など染めつけたるを、われに
釈
(
と
)
きあかさん人おん身のほかになし、いざ」
文づかい
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
屍体
(
したい
)
を家にはこんで座敷にねせておく。こうなると私はいつも奇異な気もちに襲われる。この
陶物
(
すえもの
)
の人形みたいに
横
(
よこた
)
わってるものをみて これはいったいなんだろう と思う。
妹の死
(新字新仮名)
/
中勘助
(著)
▼ もっと見る
母親に
脚気
(
かっけ
)
があるので母乳はいっさい飲まさぬことにした。脂肪の多い妻は生ぬるい白い乳をしぼっては、張ってくると肩が凝ってならないと言って、
陶物
(
すえもの
)
にしぼり込んでは棄てていた。
童子
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
この辺に多い
今戸焼
(
いまどやき
)
の
陶物
(
すえもの
)
を焼く家、かやぶき屋根の壁の下に、雑多なかたちの
素土
(
すつち
)
が干してならべてある。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それにしても、
見栄
(
みばえ
)
のしない
陶物
(
すえもの
)
の壺を買うのに、どうして千貫もの銀が要るのか、
納得
(
なっとく
)
できない。
呂宋の壺
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
二足
(
ふたあし
)
三足
(
みあし
)
附きてゆけば、「かしこなる
陶物
(
すえもの
)
の
間
(
ま
)
見たまひしや、東洋産の
花瓶
(
はながめ
)
に知らぬ草木鳥獣など染めつけたるを、われに
釈
(
と
)
きあかさむ人おん身の
外
(
ほか
)
になし、いざ、」
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
ここには石浦というところに大きい
邸
(
やしき
)
を構えて、田畑に米麦を植えさせ、山では
猟
(
かり
)
をさせ、海では
漁
(
すなどり
)
をさせ、
蚕飼
(
こがい
)
をさせ、
機織
(
はたおり
)
をさせ、金物、
陶物
(
すえもの
)
、木の器、何から何まで
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
陶物
(
すえもの
)
を出す
窯
(
かま
)
はほかにもあるのだ。市外のパリアンに
明
(
みん
)
人の窯があるというので、翌日、行ってみたが、安南あたりのものらしいというだけで、かくべつな意見もなかった。
呂宋の壺
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
陶
常用漢字
中学
部首:⾩
11画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“陶物”で始まる語句
陶物床几
陶物屋
陶物煙管