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閑静
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しずか
ふりがな文庫
“
閑静
(
しずか
)” の例文
旧字:
閑靜
七兵衛が去った後の裏庭は
閑静
(
しずか
)
であった。
旭日
(
あさひ
)
の紅い樹の枝に折々
小禽
(
ことり
)
の啼く声が聞えた。差したる
風
(
かぜ
)
も無いに、落葉は相変らずがさがさと舞って飛んだ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
閑静
(
しずか
)
だから、こっちへ——といって、さも待設けてでもいたように、……
疏水
(
そすい
)
ですか、あの川が窓下をすぐに通る、離座敷へ案内をすると、
蒲団
(
ふとん
)
を敷かせる。
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
些とは気晴しになるんだが、新吉さん本当に
好
(
い
)
い処で、些とお出でなさいな、ちょうど旦那が遊びに来て居るから、変な淋しい処だけれども、
閑静
(
しずか
)
で好いから
一寸
(
ちょいと
)
お寄りな
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
駅夫等は集って
歌留多
(
かるた
)
の遊びなぞしていた。田中まで行くと、いくらか客を加えたが、その田舎らしい小さな駅は
平素
(
いつも
)
より更に
閑静
(
しずか
)
で、停車場の内で女子供の羽子をつくさまも、汽車の窓から見えた。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
前大蔵大臣チャムパ・チョェサン(
弥勒法賢
(
みろくほうけん
)
)は二階造りの御殿に居らるるです。そういう
閑静
(
しずか
)
な所でもあり、何しろ大蔵大臣の邸ですから、セラに居った時分の僧侶の友達までが恐れて出て来ない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
▼ もっと見る
「知っている」と
閑静
(
しずか
)
に云う。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
庭にあるほどの草も木も
静
(
しずか
)
に眠って、
葉末
(
はずえ
)
を
飜
(
こぼ
)
るる夜露の音も
聞
(
きこ
)
えるばかり、いかにも
閑静
(
しずか
)
な夜であった。
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
夜、寝床に入りますまで、二階屋の
上下
(
うえした
)
、客は私一人、あまり
閑静
(
しずか
)
過ぎて寝られませんから、枕頭へ手を伸ばして……亭主の云った、袋戸棚を。で、さぞ
埃
(
ほこり
)
だろうと思うのが、きちんとしている。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
併
(
しか
)
し私はただ
閑静
(
しずか
)
だと思ったばかりで、別に寂しいとも怖いとも思わず、
斯
(
こ
)
ういう夜の景色は
確
(
たしか
)
に一つの画題になると、
只管
(
ひたすら
)
にわが職業にのみ心を傾けて、余念もなく庭を眺めていたが
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“閑静”の意味
《名詞・形容動詞》
環境などが、静かでひっそりとしているさま。
(出典:Wiktionary)
閑
常用漢字
中学
部首:⾨
12画
静
常用漢字
小4
部首:⾭
14画
“閑”で始まる語句
閑
閑人
閑暇
閑寂
閑却
閑雅
閑話休題
閑古鳥
閑散
閑居