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長袖
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ながそで
ふりがな文庫
“
長袖
(
ながそで
)” の例文
元来医者は
長袖
(
ながそで
)
と申して武辺の相手にはならぬもの。一口に申せばただの雲助、高く買っても長袖の医者。これが武兵衛の本身でござる。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
初めから
長袖
(
ながそで
)
を志望して、ドウいうわけだか
神主
(
かんぬし
)
になる
意
(
つもり
)
でいたのが兄貴の世話で淡島屋の婿養子となったのだ。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
長袖
(
ながそで
)
のうちにも、
忠盛風
(
ただもりふう
)
の者もあるとみゆるよ。……おお、小殿。忠盛どのに、こうもいうておいて欲しいぞ。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
長袖
(
ながそで
)
の
足
(
あし
)
にも
肉刺
(
まめ
)
の
出來
(
でき
)
ることはあるまいと
思
(
おも
)
つて、
玄竹
(
げんちく
)
は
殆
(
ほと
)
んど二十
年
(
ねん
)
振
(
ぶ
)
りで
草鞋
(
わらぢ
)
を
穿
(
は
)
いたのであつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
雛妓は、それから
長袖
(
ながそで
)
を帯の前に挟み、
老婢
(
ろうひ
)
に手伝って
金盥
(
かなだらい
)
の水や
手拭
(
てぬぐい
)
を運んで来て、二階の架け出しの縁側で逸作と息子が顔を洗う間をまめまめしく世話を焼いた。
雛妓
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
「手をあげろ。
横着者
(
おうちゃくもの
)
め」と、はげしい
叱
(
しか
)
り声が、入口の方からひびいた。いつの間にか黄竜の幕をかきわけ、四馬頭目の
巨体
(
きょたい
)
が、
長袖
(
ながそで
)
から愛用の
毒棒
(
どくぼう
)
をつきだしている。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
彼も別に悪僧というのでは無かったが、いわゆる
女犯
(
にょぼん
)
の破戒僧で、
長袖
(
ながそで
)
の医者に化けて品川通いに
現
(
うつつ
)
をぬかしていた。誰も考えることであるが、あの兜の小判があれば当分は豪遊をつづけられる。
半七捕物帳:65 夜叉神堂
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
たとえ隣家の
誼
(
よし
)
みはあろうとそれはそれこれはこれ、かりにも武士の邸内を家探ししようとは出過ぎた振る舞い! そもそも医師は
長袖
(
ながそで
)
の身分
大鵬のゆくえ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
小さい時から
長袖
(
ながそで
)
が志望であったというから、あるいは画師となって立派に門戸を張る心持がまるきりなかったとも限らないが、その頃は淡島屋も繁昌していたし
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「何としたことだ? あの
長袖
(
ながそで
)
は」と、その悠長にいらいらしていた。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
然るに六十何人の大家族を抱えた榎本は、
表面
(
うわべ
)
は
贅沢
(
ぜいたく
)
に暮していても内証は苦しかったと見え、その頃は
長袖
(
ながそで
)
から町家へ縁組する例は滅多になかったが、
家柄
(
いえがら
)
よりは身代を見込んで笑名に札が落ちた。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「かねて伊勢衆は、北畠
大納言
(
だいなごん
)
殿という
長袖
(
ながそで
)
の家中、およそは柔弱ぞろいならんと存じていたが、この一城の堅固な御意志、織田方にても、さすがに伊勢にも武士ありと、みな感じ合って、お噂は高うござる」
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
長
常用漢字
小2
部首:⾧
8画
袖
常用漢字
中学
部首:⾐
10画
“長袖”で始まる語句
長袖着
長袖者
長袖下衣