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鈍間
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のろま
ふりがな文庫
“
鈍間
(
のろま
)” の例文
で、
鈍間
(
のろま
)
な巡査も思わず身軽について行った。一分半ばかりで、このフランスの探偵は、イギリスの警部と私服の巡査とを仲間に加えた。
青玉の十字架
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
私が想像した通り、鬚が赤くて、眼がビィドロのようで、
鈍間
(
のろま
)
らしい
風付
(
ふうつき
)
であった。みな黒い
笊
(
ざる
)
のような帽子を、
冠
(
かぶ
)
っていた。
戦争雑記
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
「自分のお金の高が判らないなんて、そんな
鈍間
(
のろま
)
なおじさまじゃないでしょう、はっきり正直にいうものよ、
指
(
これ
)
だけはいっていたんでしょう。」
蜜のあわれ
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
動物にしても
海鞘
(
ほや
)
のように腎臓のない規則外れの奴があるが、こいつは
迚
(
とて
)
も動物とは思えないほど
鈍間
(
のろま
)
なんだから、このことからも残滓の排泄を知らないで
植物人間
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
ところが、多くの場合男は女にとつて
天使
(
エンゼル
)
どころか、牛のやうに
鈍間
(
のろま
)
で、おまけに牛のやうに
獣物
(
けだもの
)
である。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
あれだってお前、
為
(
す
)
ることは
鈍間
(
のろま
)
でも、人間は好いものだよ。それにあの若さで、女買い一つするじゃなし、お前をお嫁にすることとばかり思って、ああやって働いているんだから。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「あんまり
鈍間
(
のろま
)
らしくつて、こんな遊びには向きさうもないぢやございませんか。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
宿すに足ったろうという
述懐
(
じゅっかい
)
さ。まいまいつぶろという奴は
鈍間
(
のろま
)
の表象だからこの際調和が好い。それに一つところに凝っとしていないから、これで鼻の下の寸法が可なり長く現れている
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
何処
(
どこ
)
までも自分の
鈍間
(
のろま
)
と云うものであろうか。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
男は
鈍
(
のろ
)
いもので、この瞬間女を飛切り美しいものに見るばかりでなく、自分をも非常な勇者のやうに
思違
(
おもひちが
)
へをする。
鈍間
(
のろま
)
なる男よ、
汝
(
なんぢ
)
はいつも女の前に勇者である。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「西洋を知らない。ほんとに
汝
(
おまへ
)
さんのやうな
鈍間
(
のろま
)
なんざ、一人だつてありはしないよ、西洋には。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
鈍
常用漢字
中学
部首:⾦
12画
間
常用漢字
小2
部首:⾨
12画
“鈍”で始まる語句
鈍
鈍色
鈍刀
鈍物
鈍重
鈍々
鈍根
鈍痛
鈍感
鈍器