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野衾
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のぶすま
ふりがな文庫
“
野衾
(
のぶすま
)” の例文
暗闇の多い坂上の屋敷町は、私をして若い女や子供が一人で夜歩きするとどこからか出て来て生き血を吸うという
野衾
(
のぶすま
)
の話を想い起させた。
山の手の子
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
最初に出て来たのは一つ目小僧、フラリフラリと
提灯
(
ちょうちん
)
を下げてすれ違うと、頭の上から
野衾
(
のぶすま
)
がバサリと顔を撫でます。
銭形平次捕物控:005 幽霊にされた女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
首尾
(
しゅび
)
よくゆけば、この
機会
(
きかい
)
に
大禄
(
たいろく
)
で家康にめしかかえられそうだし、まずくゆくと、またぞろ、
態
(
てい
)
よく
追
(
お
)
いはらわれて、もとの
野衾
(
のぶすま
)
に立ちかえらなければならない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
手届きて人の奪うべくもあらねば、町の外れなる酒屋の
庫
(
くら
)
と
観世物
(
みせもの
)
小屋の間に住めりと人々の言いあえる、恐しき
野衾
(
のぶすま
)
の来て
攫
(
さら
)
えて
行
(
ゆ
)
くと、われはおさなき心に思いき。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
たそがれに戸に出ずる二代目のおさなき
児等
(
こら
)
、もはや
野衾
(
のぶすま
)
の
恐
(
おそれ
)
なかるべし。
旧
(
もと
)
のかの酒屋の
土蔵
(
くら
)
の隣なりし
観世物
(
みせもの
)
小屋は、あとも
留
(
とど
)
めずなりて、東警察とか云うもの出来たり。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
その翼広げたる大きさは
鳶
(
とび
)
に
較
(
たぐ
)
うべし。
野衾
(
のぶすま
)
と云うは
蝙蝠
(
こうもり
)
の
百歳
(
ももとせ
)
を経たるなり。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
図書 御天守の三階中壇まで戻りますと、
鳶
(
とび
)
ばかり
大
(
おおき
)
さの、
野衾
(
のぶすま
)
かと存じます、
大蝙蝠
(
おおこうもり
)
の黒い翼に、
燈
(
ともしび
)
を
煽
(
あお
)
ぎ消されまして、いかにとも、進退度を失いましたにより、灯を頂きに参りました。
天守物語
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“野衾”の解説
野衾(のぶすま)または飛倉(とびくら)は、江戸(現 東京都)に伝わる妖怪の一種。ムササビのような姿をしていると言われ、実在のムササビやモモンガの異称として野衾の名が用いられることもある。
(出典:Wikipedia)
野
常用漢字
小2
部首:⾥
11画
衾
漢検1級
部首:⾐
10画
“野”で始まる語句
野
野原
野暮
野分
野面
野郎
野良
野路
野菜
野茨