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那奴
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あいつ
ふりがな文庫
“
那奴
(
あいつ
)” の例文
「
衲
(
わし
)
にはてんで
読
(
よ
)
め
居
(
を
)
らんわい。弟子の
許
(
とこ
)
に持つて
往
(
ゆ
)
かつしやれ、
那奴
(
あいつ
)
は衲の字と来たら、本人の衲よりもよく読み居るからの。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
全
(
まる
)
で
淑女
(
レディ
)
の
扮装
(
いでたち
)
だ。
就中
(
なかんづく
)
今日は
冶
(
めか
)
してをつたが、
何処
(
どこ
)
か
旨
(
うま
)
い口でもあると見える。
那奴
(
あいつ
)
に
搾
(
しぼ
)
られちや
克
(
かな
)
はん、あれが本当の真綿で首だらう
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「可いわい、一ツぐらい貴様に譲ろう。油断をするな、
那奴
(
あいつ
)
また白墨
一抹
(
いちまつ
)
に価するんじゃから。」
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それぢや私も
赫
(
かつ
)
として、もう我慢が為切れなく成つたから、物も言はずに飛出さうと為る途端に、運悪く又
那奴
(
あいつ
)
が遣つて来たんぢやありませんか。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「何だ。
那奴
(
あいつ
)
じゃないか。こないだ鳶が空から取落した奴を、松江の鱸だといって、うまく騙して売りつけてやった、あの露次裏の老ぼれじゃないか。」
艸木虫魚
(新字新仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
「一向聞きませんな。
那奴
(
あいつ
)
男を引掛けなくても
金銭
(
かね
)
には
窮
(
こま
)
らんでせうから、そんな事は無からうと思ひますが……」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「御馳走も結構だが、
例
(
いつも
)
の一件だね、
那奴
(
あいつ
)
を一寸見せて貰つた上で、ゆつくり戴きたいもんだね。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「それ、虫が鳴いている。お前と俺と二人にとって、
那奴
(
あいつ
)
はむかし馴染だったな。」
艸木虫魚
(新字新仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
幸
(
さいはひ
)
満谷が今度の文展に出してゐる
那奴
(
あいつ
)
を売りにかゝらう。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「やつぱり
鶲
(
ひたき
)
だつたな。
那奴
(
あいつ
)
もうやつて来てゐるのか。」
独楽園
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
那
常用漢字
中学
部首:⾢
7画
奴
常用漢字
中学
部首:⼥
5画
“那”で始まる語句
那
那麽
那辺
那珂
那処
那智
那須野
那覇
那様
那方