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那処
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あすこ
ふりがな文庫
“
那処
(
あすこ
)” の例文
旧字:
那處
日光を結構な
土地
(
ところ
)
と思つたのが間違で、日光には
鋳掛
(
いかけ
)
屋の荷物のやうな、ぴか/\した建物があるだけで、
那処
(
あすこ
)
では芸術は死んでゐる。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「可けない!
那処
(
あすこ
)
に居て下さらなければ可けませんな。何、御免を
蒙
(
かうむ
)
る? ——可けない! お手間は取せませんから、どうぞ」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
遊「君の後曳も口ほどではないよ。この間
那処
(
あすこ
)
の
主翁
(
おやぢ
)
がさう言つてゐた、風早さんが後曳を三度なさると新いチョオクが半分
失
(
なくな
)
る……」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
それが出来なかつたら、辛棒して芸術座の舞台にでも生れ変る事だ。
那処
(
あすこ
)
には島田も丸髷もない代りに
安価
(
やすで
)
な「西洋」が幕ごとに転がつてゐる。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
那処
(
あすこ
)
に遠く
些
(
ほん
)
の
小楊枝
(
こようじ
)
ほどの棒が見えませう、あれが旗なので、
浅黄
(
あさぎ
)
に赤い
柳条
(
しま
)
の模様まで
昭然
(
はつきり
)
見えて、さうして
旗竿
(
はたさを
)
の
頭
(
さき
)
に
鳶
(
とび
)
が
宿
(
とま
)
つてゐるが手に取るやう
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
馬来
(
マレイ
)
半島にヅリヤンといふ果物のある事は、一度でも船で
那処
(
あすこ
)
を通つた事のある人は皆知つてゐる筈だ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
どうかこれからは
那処
(
あすこ
)
が正念場だといふ事をお考へになつて、貴女の態度を変へていただきたいのです。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
その手は女の心の臓を握るには少し頑丈過ぎる程
肥
(
ふと
)
つてゐた。「それから、
翌
(
あく
)
る朝起きぬけに義士の
引揚
(
ひきあげ
)
を見て、大石を痛罵する所がおまつしやろ、
那処
(
あすこ
)
を
演
(
や
)
つてみたうおまんね。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「私の
行
(
や
)
つてみたいつて事はね、御覧なさい、
那処
(
あすこ
)
に
煽風器
(
せんぷうき
)
が廻つてるでせう……」と部屋の隅つこにある煽風器を指ざした。「あの煽風器に卵を一つ投げつけてみたいんです。唯それだけでさ。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「それぢや、
那処
(
あすこ
)
を見給へ。大事の忘れ物が笑つてゐらつしやる。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「やあ、
那処
(
あすこ
)
にいつもの
両替
(
りやうかへ
)
屋の
寡婦
(
ごけ
)
が見える。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
那
常用漢字
中学
部首:⾢
7画
処
常用漢字
小6
部首:⼏
5画
“那”で始まる語句
那
那麽
那辺
那珂
那智
那須野
那覇
那様
那方
那須