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追躡
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ついじょう
ふりがな文庫
“
追躡
(
ついじょう
)” の例文
無理想で、
amoral
(
アモラル
)
である。
狙
(
ねら
)
わずに鉄砲を打つほど危険な事はない。あの男はとうとう
追躡
(
ついじょう
)
妄想で自殺してしまった。
沈黙の塔
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
衆蛇
追躡
(
ついじょう
)
余りに急だったから、彼ついに絶え入った。旭の光身に当って、翌旦蘇り見れば、かの沢を距つる既に四、五マイル。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
人間の廃朽品である乞食に就ても同様で、一たんこれと目ざした乞食に向けては執拗に
詮索
(
せんさく
)
を
追躡
(
ついじょう
)
して行く性分である。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
このあいだに家康はしゅびよく退陣し、旗本の人びとも
追躡
(
ついじょう
)
する敵を撃退しつつ浜松城下までひきしりぞいた。
死処
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
四、五間向うに、数羽の
雛
(
ひな
)
とともに
戯
(
たわむ
)
れている雷鳥、
横合
(
よこあい
)
から不意に案内者が石を投じて、
追躡
(
ついじょう
)
したが、
命冥加
(
いのちみょうが
)
の彼らは、遂にあちこちの岩蔭にまぎれてしまう。
穂高岳槍ヶ岳縦走記
(新字新仮名)
/
鵜殿正雄
(著)
▼ もっと見る
何しろ
斯波
(
しば
)
家長らの
追躡
(
ついじょう
)
(尾行してくる攻撃)も
執拗
(
しつよう
)
なので、鎌倉を横に見捨て、ひたむき、東海道を急いだが、ついにあの——箱根竹ノ下合戦には——間に合わなかった。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一人を
追躡
(
ついじょう
)
して
銀明水
(
ぎんめいすい
)
の
側
(
かたわら
)
まで来りしに、吹雪一層烈しく、大に悩み居る折柄、二人は予らに面会を
了
(
おわ
)
りて下るに
遇
(
あ
)
い、
切
(
しき
)
りに危険なる由を
手真似
(
てまね
)
して引返すべきことを
促
(
うなが
)
せしかば
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
幼年から
数奇
(
すうき
)
な運命は彼の本来の性質の真情を求めるこころを曲げゆがめ、神秘的な美欲や愛欲や智識欲の
追躡
(
ついじょう
)
といふやうな方面へ、彼の強鞣な精神力を追ひ込み、その推進力によつて知らぬ間に
上田秋成の晩年
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
追
常用漢字
小3
部首:⾡
9画
躡
漢検1級
部首:⾜
25画
“追”で始まる語句
追
追従
追々
追剥
追分
追掛
追手
追憶
追付
追駈