軽気球けいききゅう)” の例文
旧字:輕氣球
それから、自分の踏んで居る舞台の床が、軽気球けいききゅうのようにフラフラして、何となく自分の足元がうわついて居たのを覚えて居る。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
あおいろが、ところどころにて、くもみだれたそらたかく、その軽気球けいききゅうは、風船球ふうせんだまばしたように、がっていました。
おばあさんとツェッペリン (新字新仮名) / 小川未明(著)
軽気球けいききゅうです。ぜんたいをまっ黒にぬった軽気球です。広告気球アド・バルーンの二倍もある、まっ黒な怪物です。
少年探偵団 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
世界一の高い山を、ふもとから見あげたけしきは、大きく美しいが、はんたいに、この山を高い空から、軽気球けいききゅうに乗って見おろしたら、また、別の美しさ、雄大さを感じるだろう。
無人島に生きる十六人 (新字新仮名) / 須川邦彦(著)
おばあさんは、まだ、わか時分じぶんに、なにかの雑誌ざっしについている口絵くちえた、軽気球けいききゅうそらがっている姿すがたを、いつまでもわすれることができませんでした。
おばあさんとツェッペリン (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、エレベーターの箱の上に、大きな軽気球けいききゅうがくくりつけてあったのです。
鉄人Q (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それには、ひとっていて、下方かほうにたむろしている敵軍てきぐんのようすを偵察ていさつしていたのであります。すると、これを射落おとそうと、てき騎兵きへい軽気球けいききゅうがけて、発砲はっぽうしていました。
おばあさんとツェッペリン (新字新仮名) / 小川未明(著)
軽気球けいききゅうがっているであろう、とおまちそらはかすんでいました。
花の咲く前 (新字新仮名) / 小川未明(著)