車掌しやしやう)” の例文
次ぎの停車場ステーシヨンまではやゝ遠かつた。其處そこに着くのを待ちねて、小池はお光とゝもに、小砂利こじやりを敷き詰めた長いプラツトフオームへ下りると、ざく/\と小砂利を踏みつゝ車掌しやしやうに近附いて
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
ところがそれよりもさきにけたたましい日和下駄ひよりげたおとが、改札口かいさつぐちはうからきこしたとおもふと、もなく車掌しやしやうなにののしこゑともに、わたくしつてゐる二とうしつががらりといて十三四の小娘こむすめ一人ひとり
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
かの旅の汽車の車掌しやしやう
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
車掌しやしやうふしを附けてうたふやうに言つたので、小池もお光も同時にハツと頭を上げて車室を見渡すと、自分たち二人ふたりほかには、大きな風呂敷包みを背負せおつた老婆が、腰を曲げてまご/\してゐるだけで
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)