躍上おどりあが)” の例文
それが思い通りに図星に当り過ぎる位当ったので、その時の一知の喜びようというものは躍上おどりあがりたい位であった。
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
これより先、余り御無体、お待ちや、などと、あわただしいおんなまじりの声の中に、丸官の形、猛然と躍上おどりあがって、廊下を鳴らして魔のごとく、二人のねやへ押寄せた。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ヤレ寐過ねすごしたか……」と思う間もなく引続いてムクムクと浮み上ッた「免職」の二字で狭い胸がまずふさがる……芣苢おんばこを振掛けられた死蟇しにがいるの身で、躍上おどりあがり、衣服をあらためて
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「ヨウ! ヨウ!」と松木は躍上おどりあがらんばかりに喜こんだ。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
祐吉は躍上おどりあがって喚いた。
天狗岩の殺人魔 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
その手先が、心なしにちょいちょい触ると、僧の手首が自然おのずからはたはたと躍上おどりあがった。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
金剛杖こんごうづえを棄置いて、腰のすわらぬ高足をどうと踏んで、躍上おどりあがるようにその前を通った、が、可笑おかしい事には、対方さき女性にょしょうじゃに因って、いつの間にか、自分ともなく、名告なのり慇懃いんぎんになりましてな。……
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と時々どどどと勝誇って、躍上おどりあが気勢けはいがする。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)