賣切うりき)” の例文
新字:売切
その佃煮つくだにけつけたときは……先刻さき見着みつけたすこしばかりの罐詰くわんづめも、それもこれ賣切うりきれてなんにもなかつた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
山北やまきた山北やまきた。——あゆすしは——賣切うりきれ。……おちやも。——もうない。それもわびしかつた。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
同人どうにん嘆息たんそくした。——いまでも金魚麩きんぎよぶはう辟易へきえきする……が、地震ぢしん四日よつか五日いつかめぐらゐまでは、金魚麩きんぎよぶさへ乾物屋かんぶつや賣切うりきれた。また「いづみ干瓢鍋かんぺうなべか。車麩くるまぶか。」とつてともだちは嘲笑てうせうする。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)