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貴僧
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きそう
取繕ひ申にぞ次右衞門三五郎口を
揃へて然らば其
石塔へ
參詣致し度
貴僧には先へ歸られ其
用意をなし置給へと云に祐然
畏まり候と急ぎ立歸りて
無縁の五
輪の
塔を
下より見上げ何か
吃驚せし樣子なりしかば無量庵は
微笑是九郎兵衞
愚僧に
逢ては一言の申譯は有まいと言に九郎兵衞は然あらぬ
體にて
合點の
行ぬ
貴僧が一言
最前より
容子を
敷て今や/\と
相待ける所へ三五郎次右衞門
寺社奉行郡奉行同道にて來りしかば祐然は
出迎へ
直に
墓所へ案内するに此時三五郎は我々は
野服なれば御
燒香を致すは
恐あり
貴僧代香を