財宝ざいほう)” の例文
旧字:財寶
はたして、そんな“かく財宝ざいほう”があるか否かは知れないが、とにかく、まだ普請中の新田家へも、しきりと公卿往来がみえ出した。
虎口ここうに入らずんば虎児こじを得ずっていう東洋の格言があらあ、俺たちはキッドの財宝ざいほうを得るために恐竜の穴に入ったんだ。大冒険なんだぜ、命がけの探検なんだぜ。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
数百年をへた地図には、はたしてどこに財宝ざいほううずめてあると書いてあるだろう?
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
柳町やなぎまちくるわにいたのは、まだ三十を越えていない、あから顔にひげの生えた、浪人だと云うではありませんか? 歌舞伎かぶきの小屋をさわがしたと云う、腰の曲った紅毛人こうもうじん妙国寺みょうこくじ財宝ざいほうかすめたと云う
報恩記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
既にしるしたとおりの伝奇的でんきてきな物語をして聞かせ、「つまりパチノは皇帝の命令をうけ、莫大ばくだい財宝ざいほうたずさえて、日本へ遠征してきたが、こころざしなかばにして不幸な死をげたというわけさ」
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)