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諧音
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かいおん
ふりがな文庫
“
諧音
(
かいおん
)” の例文
自分の生きかたが、無意味だと解った時の味気なさは下手な楽譜のように、ふぞろいな濁った
諧音
(
かいおん
)
で、いつまでも耳の底に鳴っているのだ。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
その五十鈴川の水は、
大湊
(
おおみなと
)
の口へながれ入っているが、武蔵を乗せてゆく渡舟の
櫓音
(
ろおと
)
は、ただ無心な
諧音
(
かいおん
)
の波を漕いで行く。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かつてこれほど、宇宙の朗らかな
諧音
(
かいおん
)
は内心の愛の調べによく調子を合わしてることはなかった。かつてこれほど、マリユスは心を奪われ幸福で
恍惚
(
こうこつ
)
たることはなかった。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
檻
(
おり
)
を
蹴破
(
けやぶ
)
り、
桎梏
(
しっこく
)
をかなぐりすてた女性は、当然ある
昂
(
たかぶ
)
りを胸に
抱
(
いだ
)
く、それゆえ、古い意味の(調和)古い意味の(
諧音
(
かいおん
)
)それらの一切は考えなくともよしとし、(不調和)のうちに調和を示し
明治大正美人追憶
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「ああそうだ。あの音だ。ピタゴラス
派
(
は
)
の
天球運動
(
てんきゅううんどう
)
の
諧音
(
かいおん
)
です」
シグナルとシグナレス
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
▼ もっと見る
諧音
(
かいおん
)
の
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
そよ吹く南風を
孕
(
はら
)
んで、
諧音
(
かいおん
)
の海を、ひそやかに
東
(
ひがし
)
して行ったこの一
帆
(
ぱん
)
こそ、やがて山陽の形勢を一変し、ひいては後の全日本に大きな潮のあとをのこし
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
水車
(
すいしゃ
)
は、
夜
(
よ
)
もすがらふだんの
諧音
(
かいおん
)
をたてて、いつか、
孟宗藪
(
もうそうやぶ
)
の葉もれに、さえた
紺色
(
こんいろ
)
の
夜
(
よ
)
があけていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
冷々
(
ひえびえ
)
と樹海の空をめぐっている
山嵐
(
さんらん
)
の声と
一節切
(
ひとよぎり
)
の
諧音
(
かいおん
)
は、はからずも
神往
(
しんおう
)
な調和を作って、ほとんど、自然心と人霊とを、ピッタリ結びつけてしまったかのごとく澄みきっていた。
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“諧音”の意味
《名詞》
諧音(かいおん)
音が調和すること。音の調和。
和音。
(出典:Wiktionary)
諧
常用漢字
中学
部首:⾔
16画
音
常用漢字
小1
部首:⾳
9画
“諧”で始まる語句
諧謔
諧調
諧
諧謔味
諧和
諧律
諧謔的
諧史
諧樂
諧語