“神往”の読み方と例文
読み方割合
しんおう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
泰西たいせいの画家に至っては、多く眼を具象ぐしょう世界にせて、神往しんおう気韻きいんに傾倒せぬ者が大多数を占めているから、この種の筆墨に物外ぶつがい神韻しんいんを伝え得るものははたして幾人あるか知らぬ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
冷々ひえびえと樹海の空をめぐっている山嵐さんらんの声と一節切ひとよぎり諧音かいおんは、はからずも神往しんおうな調和を作って、ほとんど、自然心と人霊とを、ピッタリ結びつけてしまったかのごとく澄みきっていた。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)