“気韻”の読み方と例文
旧字:氣韻
読み方割合
きいん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
水に映って、それは閑雅かんがのちらちらであろうと思えた、この支流である飛騨川の峡谷はまた本流の蘇川峡とは別趣の気韻きいんをもって私に迫った。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
この時春琴の姉が十二歳すぐ下の妹が六歳で、ぽっと出の佐助にはいずれもひなにはまれな少女に見えた分けても盲目の春琴の不思議な気韻きいんに打たれたという。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
神の存在を認めないのではなく、この人々には、落ちついて、かんさびた気韻きいんに浴する余裕がないのだ——とすれ違った老人が、あきれたようにつぶやいた。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)