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諂諛
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てんゆ
ふりがな文庫
“
諂諛
(
てんゆ
)” の例文
特
(
こと
)
に
癇癖
(
かんぺき
)
荒気
(
あらき
)
の大将というので、月卿雲客も怖れかつ
諂諛
(
てんゆ
)
して、あたかも
古
(
いにしえ
)
の木曾
義仲
(
よしなか
)
の都入りに出逢ったようなさまであった。
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
諸君、僕は実に諸君に対する面目が無いです、——
従来
(
これまで
)
僕は篠田先生に
阿媚
(
あび
)
するとか、
諂諛
(
てんゆ
)
するとかツて、諸君の冷嘲熱罵を被つたですが
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
汝はこれ
諂諛
(
てんゆ
)
の老臣、まこと正邪をあきらかにし、一世を光明にみちびくの大戦は、汝の得意とする世渡り上手の手先や口先で勝てるものではない。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
虚文虚礼
便佞
(
べんねい
)
諂諛
(
てんゆ
)
を
賤
(
いや
)
しとして仕官するを欲しなかった二葉亭もこの意外なる自由の空気に満足して、局長閣下と盛んに人生問題を論じて大得意であった。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
二人にだけ夏姫の肌着を見せた所からすれば、霊公も既に二人のことを知っているのではなかろうか? 主君の戯れに、
諂諛
(
てんゆ
)
の笑を以て応えて良いものか、どうか。
妖氛録
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
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すでに利己心や憎悪心や
諂諛
(
てんゆ
)
や傲慢がそれの明るい拡りゆく自由さを失わせていたとすれば、婦人に対する愛や交りが本当に純潔であろうなどとは誰も信じないことである。
語られざる哲学
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
それゆえ学窓を出て官界に入り、身辺の世のなかの現実に触れた時、勝手がまるで違ったように、上官や同僚がすべて虚偽と
諂諛
(
てんゆ
)
の便宜主義者のように見えて仕方がなかった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
天下皆鬼神の如くに、畏敬し、禁闕の諸卿も
諂諛
(
てんゆ
)
これ努めたものであった。
露伴先生と神仙道
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
諂諛
(
てんゆ
)
の者とが得てして行いがちの、
狡猾
(
こうかつ
)
な、細心な、そのくせ、妙に
洒然
(
しゃぜん
)
として打解けたような物ごしで、膝の傍へ寄って来たが、刀の
鞘
(
さや
)
の方から遠廻りをして、腰へ近づいたかと思うと、いきなり
大菩薩峠:27 鈴慕の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
恬
(
てん
)
として既往を忘れたふりのできる
顕官
(
けんかん
)
連や、彼らの
諂諛
(
てんゆ
)
を見破るほどに
聡明
(
そうめい
)
ではありながらなお真実に耳を傾けることを
嫌
(
きら
)
う君主が、この男には不思議に思われた。いや、不思議ではない。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
衛
(
えい
)
の霊公は極めて意志の弱い君主である。賢と不才とを識別し得ないほど愚かではないのだが、結局は苦い
諫言
(
かんげん
)
よりも甘い
諂諛
(
てんゆ
)
に
欣
(
よろこ
)
ばされてしまう。衛の国政を左右するものはその後宮であった。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
“諂諛”の意味
《名詞》
諂諛(てんゆ)
人に対し阿り諂う(諛う)こと。
(出典:Wiktionary)
諂
漢検1級
部首:⾔
15画
諛
漢検1級
部首:⾔
15画
“諂”で始まる語句
諂
諂佞
諂曲
諂媚
諂辞