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誰某
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たれそれ
ふりがな文庫
“
誰某
(
たれそれ
)” の例文
なぜならば
誰某
(
たれそれ
)
も
診
(
み
)
てもらったけれども、ただ未来の安心を説き聞かされて薬を下さらなかったところが、その人は果たして死んでしまった。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
世人は彼女が若き学生等と交際する事を
頻
(
しき
)
りに罵り始めました。中には
誰某
(
たれそれ
)
が彼女と特に親しいのだというような事を明かに云う人達も出て来ました。
彼が殺したか
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
対手
(
あいて
)
にならないが、
次第
(
わけ
)
は話そう。——それ、弁持の甘き、月府の
酸
(
す
)
きさ、
誰某
(
たれそれ
)
と……久須利苦生の苦きに至るまで、目下、素人堅気輩には用なしだ。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
従来不朽の筆は不朽の人を伝えるもので、人は文に依って伝えらる。つまり
誰某
(
たれそれ
)
は誰某に
靠
(
よ
)
って伝えられるのであるから、次第にハッキリしなくなってくる。
阿Q正伝
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
「
誰某
(
たれそれ
)
の
輩
(
はい
)
が、
行詰
(
ゆきづま
)
つた
果
(
は
)
てに、
箔
(
はく
)
をつけに
行
(
ゆ
)
くのと、
同
(
おな
)
じだと
思
(
おも
)
はれると、
大変
(
たいへん
)
な
間違
(
まちが
)
ひなんだ。」
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
世界の人は日本人の
誰某
(
たれそれ
)
は恩人が
獄屋
(
ひとや
)
に
繋
(
つな
)
がれて非常な苦しみを受けて居るのを知りつつ
打棄
(
うちす
)
てて国に帰ってしまった。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
株をすすめられた時、のぼせがちの従兄が親類の
誰某
(
たれそれ
)
と
仲違
(
なかたが
)
いまでして、二度も三度も田地を抵当に入れて、銀行から金を借りた事情を、母親も伝え聞いて知っていた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
夢になら恋人に逢えると
極
(
きま
)
れば、こりゃ
一層
(
いっそ
)
夢にしてしまって、世間で、
誰某
(
たれそれ
)
は? と尋ねた時、はい、とか何んとか言って、
蝶々
(
ちょうちょう
)
二つで、ひらひらなんぞは悟ったものだ。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
誰某
(
たれそれ
)
は法王殿下に対して不敬を犯しました、実に不届きなやつでござるとやかましく言い立てて
辜
(
つみ
)
のない学者や人民を害すると言い、陰険極まる近臣が沢山あるという話です。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
小菊は
誰某
(
たれそれ
)
と一座で、客は呑み助で夜明かしで呑もうというのを、やっと脱けて来たと、少し怪しい
呂律
(
ろれつ
)
で弁解するのだったが、それはそんなこともあり、そうでない時もあった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
誰某
(
たれそれ
)
だね……という
工合
(
ぐあい
)
で、その時々の男の名を覚えて、
串戯
(
じょうだん
)
のように言うと、病人が
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何を買うにも金を
吝々
(
けちけち
)
しないで、米沢町のどこの店に欲しい小紋の羽織が出ているとか、
誰某
(
たれそれ
)
のしていたような帯が買いたいとか、または
半襟
(
はんえり
)
、帯留のような、買ってもらいたいものがあり
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
誰
常用漢字
中学
部首:⾔
15画
某
常用漢字
中学
部首:⽊
9画
“誰某”で始まる語句
誰某公