読下よみくだ)” の例文
旧字:讀下
渡邊祖五郎殿という表書うわがき、只今のように二日目に来るなどという訳にはまいりません。飛脚屋へ出しても十日とおか二十日はつかぐらいずつかゝります。読下よみくだして見ると
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
その日の夕刊が配達されると、木挽町こびきちやうの蔵相官邸の門衛は、ちやうどそこへ来合はせてゐた自分の話し相手に頓着なくいきなり夕刊をけて、蔵相親任のくだり読下よみくだした。そして
掛替かけかゆる折滬上こじょう当今とうこんの書家高邕こうようといふ人の書きける小杜しょうと茶煙禅榻さえんぜんとう七絶しちぜつすらすらと読下よみくだしける才識に母上このもの全く世の常の女にあらじと感じたまひてこのたびの婚儀につきては深くその身元のあしよしを
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
伯爵がそれを取って差出すのを、蘭堂が開封して読下よみくだした。
恐怖王 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
と眼鏡を掛け、行灯あんどんの明り掻き立て読下よみくだして相川も、ハッとばかりに溜息ためいきをついて驚きました。
と持って来た手紙を出すを、山三郎はいぶかしげに受取って開いて読下よみくだすと、驚きました。
見ているうちに喧嘩となり、汝の父を討ったる刀、中身は天正助定なれば、是を汝に形見としてつかわすぞ、又此のつゝみうちには金子百両とくわしく跡方あとかたの事の頼み状、これをひらいて読下よみくだせば
藤原はふみ読下よみくだして膝へついた手がぶる/\とふるえて居りました。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)