まいり)” の例文
のちは自分ばかり、乳母うばに手をかれておまいりをしましたッけ。別に拝みようも知らないので、ただ、母親の病気の快くなるようと、手を合せる、それも遊び半分。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
伊勢まいりの道連のように山本さんを頼りにして、温泉宿のある方へ軽く笑いながら随いて行った。
(新字新仮名) / 島崎藤村(著)
此の日芸者小兼は早く起きて白金の清正公様せいしょうこうさまへおまいりきました。一体芸者しゅは朝寝ですが、其の日は心がけて早く起き、まだ下女が焚付たきつけて居て御飯ごぜんも出来ないくらいの所へ
「久し振りに聖天さまへおまいりに参りましたのでちょっとお寄りしました」と言って来た二十五、六の女があったが、後で奥さんから私に「あれはお父さんの妾なのよ」と教えられたことがある。
『新編鎌倉志』には、江島の神宝蛇角二本長一寸余り、慶長九年うるう八月十九日、羽州うしゅう秋田常栄院尊竜という僧、伊勢まいりして、内宮辺で、蛇の角を落したるを見て、拾うたりと添状そえじょうありとて図を出す。