うわさ)” の例文
友人たちは代る代る訊いたし、いろいろと近所のうわさをさぐってみたが、それほど骨を折る暇もなく、第一級の情報をつかむことができた。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
其許に便たより行きつゝ訳は少しも明さずに一泊を乞いたるが夜明けてちも此辺りへは人殺しのうわさも達せず妾は唯金起が殺されたるや如何にと其身の上を
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「彼は、義を見てせずということなし、とうわさされているそうだ、義を見てせずということなしか、はは、十左は役に立つ男だ」
五日の朝八時頃の事最寄警察署の刑事巡査詰所に二人の探偵打語らえり一人は年四十頃デップリと太りて顔には絶えずえみを含めり此笑見る人に由りてうわさを異にし愛嬌ある顔とめるも有り人を
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
綱宗の不行跡が公辺こうへんにまで聞えたとのうわさに、一門、一家、老臣ども合議のうえ、綱宗に隠居のおゆるしのあるよう願い出ました
めぐらせているということはあり得ない、そういううわさを耳にしたようにも思うが、そんなことはあり得ない、それは畑姉弟を
「ただ、ひとこと云っておくが、他人のうわさや風説に迷わされるな、事を行うなら、自分で是非の判断をしたうえでやれ」
家中では私に過失があって罷免されたといううわさがあり、いまなおそう信じている者が多いのです、もっとも勘弁ならぬのは私が罪科を問われて押籠おしこめにされたと
二人がいい仲になっている、といううわさはそれからひろまった。いろいろなうわさが取り交わされ、いっとき「もくしょう」の存在が大きく、蒸気乗りたちを圧迫した。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
こうして、「しっつぁんはすっかり役者(賢いというほどの意味)になった」といううわさひろまった。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
こうして、「しっつぁんはすっかり役者(賢いというほどの意味)になった」といううわさひろまった。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「そうです、一般のうわさや漠然とした伝聞などでなく、現実にこれということのできる証拠です」
お上の御推挙で国老になるといううわさが出ましたとき十左は船岡どのに不信をいだきました。
「人間はよく話しあってみなければわからないものだ」と七兵衛はきまじめに云った、「私は人のうわさに誤られていた、私は伊東どのをまったく違った人柄のように思いこんでいた」
「涌谷さまが訴訟のために出府を許されてから、御譜代ふだい外様とざまの大名がたでいろいろとうわさがあり、会津中将(保科ほしな正之)さまでさえ、一ノ関が悪いと仰せられているということです」
そういう良心的な専門家のうわさを聞いて、圧迫を少しも感じない者があるだろうか。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
そういううわさが立ったが、夫婦喧嘩のときにもときたまそのことが引合いに出た。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
御年十八歳で践祚せんそされたが、御在位ちゅう災異凶事が多く起こり、それは、「今上きんじょうに御威徳が欠けているためである」といううわさが立つと、即位されてから僅か七年めに御退位、上皇となられた。
「家中のうわさか」