親子しんし)” の例文
以て此段申上奉り候明日は吉日に付御親子しんし對顏たいがんの御規式ぎしきを御取計ひ仕り候もつと重役ぢうやく伊豆守越前役宅まで參られ天一坊樣へ御元服げんぷく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ああ儂や親愛なる慈父母あり、人間の深情親子しんしてて、また何かあらん。しかれどもこれ私事なり、儂一女子なりといえどもあに公私を混同せんや。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
親子しんし情愛じょうあい、そう思われるのは無理もないが、すでに、動かし難い幾多の証拠があつまっている」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
思うさま良人おっとにかしずくことのままならぬをひそかにかこてるおりおりは、かつてわが国風こくふうわずと思いし継母が得意の親子しんし別居論のあるいは真理にあらざるやを疑うこともありしが
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
爭ひ兄弟親子しんし疎遠になりかたき同士と摺れ合ふよりは幸福なりなど思ひつゞくるうち鵜沼うぬまも過ぎて加納かなふに着きしが此間このあひだの景色川あり山あり觀音坂といふ邊など誠に面白き所なりし岐阜の停車塲ステーシヨンの手前の料理店にりて晝を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
致し江戸表へ參り親子しんし對面たいめんする上は是迄の舊惡きうあくは殘らずゆるつかはすべしとの言葉に大膳は有難く拜伏はいふくし茲に主從しうじうの約をなし左京をもすゝめてこれも主家來の盃盞さかづき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「ないのが当然でござろう、親子しんしじょう、お笑い下さい」
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
以て言上に及び再吟味の儀直願ぢきぐわん仕りしが御親子しんしの御愛情あいじやうにや越前が願ひは御聞屆なきのみか重役を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)