裏漉うらご)” の例文
一旦裏漉うらごしにして再び鍋へ戻してから牛乳五勺を加えて少し煮てその中へ湯煮玉子ゆでたまごを四つ小さく輪切にして入れて御飯へかけます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
野のはてに雲が浮かんでいる。真昼の日光に裏漉うらごしされたのか絹のように輝いて見える。野面のづらは寂しく人気なく、落葉松からまつ山榛やまはんのきの混合林が諸所に飛び飛びに立っているのが老人の歯が抜けたようだ。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
先ず手軽いのが玉子のサンドウィッチで湯煮ゆでた玉子を黄身も白身も一緒に裏漉うらごしにして塩を少しとバターとをきほどに混ぜて煉ります。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
裏漉うらごしにして徳利のような物へ入れて一時間ばかり湯煎ゆせんにしてそれからびんへ詰めて口の栓をしっかりしておけば何時いつまでも持ちます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
... お刺身さしみにして梅干酢うめぼしずで出すつもりです」妻君「梅干酢とは」お登和「梅干の肉を裏漉うらごしにしてってを交ぜたのです。 ...
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
例の通り浮いて来るアクを取りながら弱い火で煮まして、別に仏蘭西豆の鑵詰かんづめ五つほどをつゆともに裏漉うらごしに致します。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
もしも略式にすればセリー酒がなくっても構いませんし、このソースを裏漉うらごしにして直ぐ鳥の肉を入れて一時間も煮れば極く手軽なサルミーになります。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
同じ豚でも生肉は非常に不消化だがハムにすると非常に消化がい。薩摩芋さつまいもおおきいのを食べると胸がやけるけれども裏漉うらごしにして梅干でえると胸へ持たん。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
それから今のジャガ芋を半分即ち五つばかり出して裏漉うらごしにして今の汁へ混ぜてドロドロにします。それがアイルシチューでつまりジャガ芋のソースです。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
オヤモーそちらのが湯だりましたか、それならば一度よく湯煮こぼして下さい。お芋のアクがぬけます。エート先ず梅干あえをこしらえましょうか。そのお芋を少しばかり裏漉うらごしにして摺鉢すりばちへ入れて下さい。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)