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荒蕪
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こうぶ
ふりがな文庫
“
荒蕪
(
こうぶ
)” の例文
彼らは常にペルシア人と戦っており、そしてチョラサン州の美しい平原を
荒蕪
(
こうぶ
)
としておく。
人口論:01 第一篇 世界の未開国及び過去の時代における人口に対する妨げについて
(新字新仮名)
/
トマス・ロバート・マルサス
(著)
仁愛の基礎の上にその
国是
(
こくぜ
)
を定めんか、或は
英
(
えい
)
のウイリヤム、ペンを学び、
荒蕪
(
こうぶ
)
を開き蛮民と和し、純然たる君子国を深森広野の中に
建立
(
けんりつ
)
せんか、或は
米
(
べい
)
のピーボデーを学び
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
名状し難い一種
荒蕪
(
こうぶ
)
な壮観を、地下深くから引き出してその四壁のうちに現われさした。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
一度
(
ひとたび
)
破壊されたその跡がここに年を経て折角
荒蕪
(
こうぶ
)
の詩趣に蔽われた閑地になっている処をば、更に何らかの新しい計画が近い中にこの森とこの雑草とを取払ってしまうであろう。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
一つの風景を、もやのふかい空のもとにある、しめった、
肥沃
(
ひよく
)
な、
広漠
(
こうばく
)
とした熱帯の沼沢地を、島と
泥地
(
でいち
)
と
泥
(
どろ
)
をうかべた水流とから成っている、一種の原始のままの
荒蕪
(
こうぶ
)
地を見た。
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
▼ もっと見る
これまで本陣問屋で庄屋を兼ねるくらいのところは、
荒蕪
(
こうぶ
)
を切り開いた先祖からの歴史のある旧家に相違ないが、しかしこの際はそういう古い事に
拘泥
(
こうでい
)
するなと教えてあるんだよ。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
日本軍の過ぐるところ、残虐きはまり、韓民悉く恐怖して山中に逃避し去り、占領地域に徴発すべき物資なく、使役すべき人夫なく、満目たゞ見る
荒蕪
(
こうぶ
)
の地、何の用にも立ち申さぬ。
二流の人
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
それからの彼は一人の下僕をつれ矢立と紙を持って、毎日、この
荒蕪
(
こうぶ
)
な平野を実地に踏査してみることだった。そして、各村の庄屋を訪ねたり、老農について、体験を聞いてみる事だった。
鬼
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
家は停車場からかなり遠くて、田んぼと言われてる
荒蕪
(
こうぶ
)
地のまん中に孤立していた。セシルはしばしば夜ふけにもどって来た。しかし少しも
恐
(
こわ
)
くなかった。危険が起ころうとは思っていなかった。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
右手の
緩斜
(
かんしゃ
)
から前方にかけ、広大な地峡をなしていて、そこは見渡すかぎりの
荒蕪
(
こうぶ
)
地だったが、その辺をよく注意してみると、峠の裾寄りのところに、わずかそれと見える一条の
小径
(
こみち
)
が
岐
(
わか
)
れていた。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
玉門関
(
ぎょくもんかん
)
を越えて、太平洋の水域の勢力の限界を一歩出ると、その西は遥かに世界の屋根
葱嶺
(
パミール
)
に至るまでのいわゆる支那トルキスタンの地方は、全くの
荒蕪
(
こうぶ
)
の砂漠と、乾燥し切った岩山との境である。
『西遊記』の夢
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
河が、この
荒蕪
(
こうぶ
)
の土地に、多少の滋味を加える。
地底獣国
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
これまで庄屋で本陣問屋を兼ねるくらいのところは
荒蕪
(
こうぶ
)
を切り開いた先祖からの歴史のある旧家に相違なく、三百年の
宿村
(
しゅくそん
)
の世話と街道の維持とに任じて来たのも、そういう彼らである。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そういう武名とは
異
(
こと
)
なって、江戸在府のころ、
下総
(
しもうさ
)
の法典ヶ原と申す土地で、土民を育成し、
荒蕪
(
こうぶ
)
の地を開墾しておるめずらしい心がけの牢人があると耳にして、会ってみたいと、探してみたところ
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“荒蕪”の意味
《名詞》
荒れ果てた土地に雑草が生い茂っていること。
(出典:Wiktionary)
荒
常用漢字
中学
部首:⾋
9画
蕪
漢検準1級
部首:⾋
15画
“荒蕪”で始まる語句
荒蕪地