じく)” の例文
旧字:
英吉は、ここぞ、と土俵に仕切った形で、片手に花のじく引掴ひッつかみ、片手でひげひねりながら、目をぎろぎろと……ただ冴えない光で
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
... 出す時にはそのあとで必ず茄子の漬物を出すのも毒消しのつもりです」妻君「松茸の甘酒漬と申すのはどう致します」お登和嬢「松茸の大きいのばかりってじくばかりを ...
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
... 此の花はたちま散果ちりはて可申もうすべくじく其許そこもとさまへつぼみのまゝ差送さしおくり候」はて…分らん…「差送候間御安意ごあんい為め申上候、好文木こうぶんぼくは遠からず枯れ秋の芽出しに相成候事、ことに安心つかまつり候、余は拝面之上匇々そう/″\已上いじょう、別して申上候は」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
小山の奥さん、松茸をお買いなさる時には何でも最初にじくを指で摘んで御覧なさい。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
たとい門口に倒れていたって、じくが枯れたというんじゃなし、姿のしぼんだだけなんです……露が降りれば、ひとりでにまた、恍惚うっとりと咲いて覚める、……殊に不思議な花なんですもの。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
第二十三 松茸飯 秋には松茸飯という美味おいしい御馳走も出来ます。それにはじくの堅い肉の厚い上等の松茸を使わなければなりませんがその松茸を短冊に切って殺虫のために一旦塩水へ漬けておきます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)