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じゃくはい
ふりがな文庫
“
若輩
(
じゃくはい
)” の例文
「拙者は、お奉行
榊原主計
(
さかきばらかずえ
)
殿のご懇望もだしがたく、
若輩
(
じゃくはい
)
の
烏滸
(
おこ
)
がましいとは存じながら、ご助勢に参った、
羅門塔十郎
(
らもんとうじゅうろう
)
と申しますもの」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「僕は初めから社長のお念仏には反対でした。しかし
若輩
(
じゃくはい
)
の出しゃばる幕じゃないと思って、差控えていたんです」
人生正会員
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
やや
若輩
(
じゃくはい
)
過ぎし様なりしが、贋金を見せられ、片膝ついてぱらぱらと金をおとすあたりより、ぐつと引つ立ち、官左衛門に渡しし金も同じ贋金なりと聞き
両座の「山門」評
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
大金に
代
(
か
)
うとも惜しからじ、香木に不相応なる価を出さんとせらるるは、
若輩
(
じゃくはい
)
の心得違なりと申候。
興津弥五右衛門の遺書(初稿)
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
初代惣右衛門はこの村に生まれて、十八歳の時から親の
名跡
(
みょうせき
)
を継ぎ、岩石の間をもいとわず百姓の仕事を励んだ。本家は代々の年寄役でもあったので、
若輩
(
じゃくはい
)
ながらにその役をも勤めた。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
自分の決心が退避いだと云うのは、
卑怯
(
ひきょう
)
な話だが、全くこの人間にあったらしい。平生から強がっていたにはいたが、
若輩
(
じゃくはい
)
の事だから、見ず知らずの多勢の席へ
滅多
(
めった
)
に首を出した事はない。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
若輩
(
じゃくはい
)
馬謖めは、要道の守りをすてて、わざわざ山上の危地に陣取ってしまった。何たる愚だ。魏軍が麓を取巻いて水の手を
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
香木に不相応なる
価
(
あたい
)
をいださんとせらるるは
若輩
(
じゃくはい
)
の心得ちがいなりと申候。
興津弥五右衛門の遺書
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
けれどもそれは単に言葉の上の智識に過ぎなかった。
若輩
(
じゃくはい
)
な自分は嫂の涙を眼の前に見て、何となく
可憐
(
かれん
)
に
堪
(
た
)
えないような気がした。ほかの場合なら彼女の手を取って共に泣いてやりたかった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あの、
直江
(
なおえ
)
山城以来の人物といわれている国家老の千坂兵部が、軽輩も軽輩——とるにたらない
若輩
(
じゃくはい
)
の自分へ
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
老人のことば
癖
(
ぐせ
)
として、激すと、いかにも
若輩
(
じゃくはい
)
を叱るようになる。けれど内蔵助は、その一句ごとに
頷
(
うなず
)
いて
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
若輩
(
じゃくはい
)
謙信に、いやしくも用兵の神智と技術において、この一手を見事出鼻にさし込まれた信玄としては、その老練な分別や、最後の必勝を信念しても、人間的に
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あの頃はよく、暴れ者が、
角
(
つの
)
を
撓
(
た
)
めるために、愚堂和尚の室にあつまりましたなあ。和尚もまた、諸侯と牢人、長者と
若輩
(
じゃくはい
)
のさべつなく、相手になってくだされた」
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わけても
若輩
(
じゃくはい
)
の身です、恐れながら、何とぞこの御用は余人へ仰せつけ願わしゅうぞんじまする
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「思えば。……今にして思えば、この信玄を、ひとは老巧というが、むしろ岐阜の信長や三河の家康などに、まんまと、
欺
(
あざむ
)
かれていたにひとしい。あの小国の
若輩
(
じゃくはい
)
どもに」
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
若輩
(
じゃくはい
)
が——といわないばかりに彼が熱しれば熱しるほど政職は軽くあしらって
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すでに
白髯
(
はくぜん
)
をたれ、老眼にもなりながら、まだその心域にいたれぬ方があらば、まず、自身を恥じるがよい——また、
若輩
(
じゃくはい
)
な学僧たちは、そんな他人のことに、騒ぎたてて、無益の時間をつぶす間に
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それがしは、
神子上典膳
(
みこがみてんぜん
)
という
若輩
(
じゃくはい
)
です」
剣の四君子:05 小野忠明
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“若輩”の意味
《名詞》
若輩(じゃくはい)
年齢が若い者。青年。年少者。
経験が未熟なこと。自身を卑下していう語。
(出典:Wiktionary)
若
常用漢字
小6
部首:⾋
8画
輩
常用漢字
中学
部首:⾞
15画
“若輩”で始まる語句
若輩者
若輩不才