“與(く)” の例文
新字:与
ロミオ (炬火持に對ひ)俺(おれ)に炬火(たいまつ)を與(く)れい。俺(おれ)には迚(とて)も浮(う)かれた眞似(まね)は出來(でき)ぬ。餘(あんま)り氣(き)が重(おも)いによって、寧(いっ)そ明(あかる)いものを持(も)たう。
徒らに賣卜者、觀相者、推命者流の言の如き、『運命前定説』の捕虜となつて、そして好運の我に與(く)みせざるを歎ずるといふが如きことは爲すべからざる筈である。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
あらゆる辛苦の中にしてわれに與(く)みして行くところ
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
然う言ふ健の顏に、孝子は一寸薄目を與(く)れて
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
死神(しにがみ)が吾等(われら)の婿(むこ)、死神(しにがみ)が吾等(われら)の嗣子(あとつぎ)、此上(このうへ)は吾等(われら)も死(し)んで何(なに)もかも彼奴(あいつ)に與(く)れう、命(いのち)も財産(しんだい)も何(なに)もかも死神(しにがみ)めに與(く)れませうわい。
左岸の農夫は運命の我に與(く)みせざるを歎じ、右岸の農夫は自己の熱汗の粒々辛苦の結果の收穫を得たことを悦んだとすれば、其の兩者はいづれも欺かざる、又誤まらざる
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
と言つて、些と校長に横眼を與(く)れた。
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
マーキュ はて、戀(こひ)めが殘忍(あらけな)いことをすれば、此方(こち)からも殘忍(あらけな)うしたがよい。刺(さ)しをったら、此方(こっち)からも刺(さ)して、壓倒(へこま)したがよい。(從者を顧みて)……面(つら)を隱(かく)す假面(めん)を與(く)れ。