臨終りんじゆう)” の例文
其角は此時和泉のあはといふ所にありしが、翁大坂にときゝて病ともしらずして十日に来り十二日の臨終りんじゆうあへり、奇遇きぐうといふべし。
子供の時別れて、五年前母親の臨終りんじゆうとこで、久振りに逢つた父親ですが、それから五年の間の愛育は、世の常の五十年の恩にもえて深いものでした。
その「枯野抄」といふ小説は、芭蕉翁ばせををう臨終りんじゆうに会つた弟子でし達、其角きかく去来きよらい丈艸ぢやうさうなどの心持をゑがいたものである。
僕は、病床びやうしようして看護かんごしてれる、やさしい女性ぢよせいも知らないでさびしい臨終りんじゆうげるんだ!
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
つひに斃れし旅芸人たびげいにんのかつぽれが臨終りんじゆう道化姿どうけすがたぞ目に浮ぶ。
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
臨終りんじゆうにさういつてゐましたがね
『春と修羅』 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
其角は此時和泉のあはといふ所にありしが、翁大坂にときゝて病ともしらずして十日に来り十二日の臨終りんじゆうあへり、奇遇きぐうといふべし。
翁が臨終りんじゆうの事は江州粟津の義仲寺にのこしたる榎本其角が芭蕉終焉記しゆうえんきに目前視るが如くにしるせり。此記をるに翁いさゝか菌毒きんどくにあたりてとなり、九月晦日より病にふしわづかに十二日にして下泉かせんせり。
翁が臨終りんじゆうの事は江州粟津の義仲寺にのこしたる榎本其角が芭蕉終焉記しゆうえんきに目前視るが如くにしるせり。此記をるに翁いさゝか菌毒きんどくにあたりてとなり、九月晦日より病にふしわづかに十二日にして下泉かせんせり。